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安倍総理の志は死なない!!

天安門事件、英に衝撃=サッチャー首相「トウ氏に失望」―外交文書

1989年6月の天安門事件は、香港を統治していた英政府にとっても「極めてショック」(サッチャー首相)な出来事だった。23日に公開された外交文書には、サッチャー氏が日本の外交官らに語った率直な心情が記録されている。(肩書は当時)


 事件を受け、英政府は中国から香港へ難民が殺到する事態を懸念。中国への香港返還を8年後に控え、英国移住を希望する香港市民の増加も課題に浮上していた。


 89年9月14日、駐英日本大使公邸での夕食会に招かれたサッチャー氏は、中国の最高実力者であるトウ小平氏と交わした会話を紹介。「トウは英政府も法律の下にあることをどうしても理解せず、国家が欲すれば法律を変えればよいと主張した」と法の支配への無理解を指摘し、「今日の中国の問題はまさにこの考え方に根源がある」との見方を示した。


 サッチャー氏は翌週、日本を訪問。同月20日の経済団体主催の昼食会でも中国情勢が話題に上り、「天安門事件は消し去ることができず、香港の人々に与えた衝撃は想像以上に甚大だ」と懸念を表明。香港返還後50年間の体制維持を保証した英中合意を中国に順守させることが「第一の問題だ」と強調した。


 ちょうどその前日、訪中した自民党の伊東正義元外相と会談したトウ氏は、先進7カ国(G7)の対中非難声明に「内政干渉だ」と反発していた。サッチャー氏は「(伊東氏を招いた)トウ小平が少しは軟化したかと思えたが(会談の)詳報を見ると相変わらずで、いささか失望した」と語った。