ネコウヨの散歩

ネコと憂国

政府、変異種確認で入国停止を決断 批判払拭の狙いも

 政府は全ての国・地域からの新規入国一時停止について、新型コロナウイルスの変異種の感染が広がる英国からの入国制限を強化した23日には水面下で準備に入っていた。25日に国内感染者が確認されたことで一気に決断した。背景には、感染が拡大すれば医療体制のさらなる逼迫(ひっぱく)が避けられないことに加え、11月以降の「第3波」への対応が後手に回ったとの政権批判を払拭する思惑もありそうだ。


 「水際対策はしっかりと早急にやっていきたい」


 菅義偉(すが・よしひで)首相は25日の記者会見で変異種の感染拡大阻止に意欲を見せた。


 会見終了後には田村憲久厚生労働相に対応を指示。26日午前も公邸に厚労省幹部らを呼んで報告を受けた。一方、加藤勝信官房長官も26日に議員会館の自室に陣取って関係省庁との調整に当たった。


 官邸関係者は全世界からの入国一時停止について「英国で変異種が確認されたときから水面下で作業を進めていた。すぐにも踏み切れる状況だった」と明かす。25日夜に変異種の国内感染が確認された5人の検査結果が出るのは当初は26日と想定していたが、政府内で「機動的な対応が必要という意識は共有されていた」(関係者)という。


 今後は水際対策だけではなく市中感染に警戒する必要があり、クラスター(感染者集団)が発生すれば1つ以上の検体を国立感染症研究所で分析する態勢をとる。首相も25日に「変異株に関する情報を含めてさまざまな情報を収集する」と強調した。


 観光支援事業「Go To トラベル」の一時停止では、観光への打撃を懸念する声があがる一方、決断が遅いとの指摘も出た。どんな判断でも批判を招く今の状況に政府関係者は困惑を隠せずにいるが、水際対策の強化は国民の広範な理解が得られると踏んだことも迅速な対応を後押しした。(千田恒弥)