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外資土地規制「大きな一歩」も…実効性担保できるか

産経新聞社 外資土地規制「大きな一歩」も…実効性担保できるか
 外国資本による安全保障上重要な土地の買収問題への政府の対策が進みつつある。24日には政府の有識者会議が長年の課題だった法整備に向けた提言をまとめた。ただ、私権制限に慎重な与党・公明党の存在もあり、規制は所有に対してではなく、利用実態に限定、罰則の扱いも注釈で小さく「考えられる」と記載するに留まった。実効性を担保できるかどうかは、今後の法案策定にかかる。
 「私権制限を『所有』ではなく、『利用』に留めたところにポイントがある」
 政府関係者は有識者会議のまとめた提言についてこう説明する。
 仮に中国資本が防衛施設近接地を買収したとしても買収自体を中止させるのではなく、利用実態が不適切な場合に利用を中止させる。提言では「盗聴、電波妨害などの拠点としての利用」と例示した。
 外資による土地買収への懸念は約13年前から指摘され始めた。自民党は平成25年から3度、議員立法提出を模索したが実現しなかった。経済活動への影響や私権制限を理由に消極的な声が与党内にあったことが法整備を阻んだ。
 今回の提言も、与党内調整を念頭に置いた工夫が随所にみられる。私権制限の範囲を限定したのは憲法で保障された財産権とのバランスを図るだけでなく、「落とし所」としての意味も大きい。「国籍のみをもって差別的な取り扱いをすることは適切ではない」と強調したのは、公明党が内外無差別原則を強く求めたからだ。
 さらに、国の調査や事前届け出の違反者に科す罰則についても本文中で触れず、注釈欄に小さく「罰則により実効性を担保することが考えられる」と記載するにとどまった。提言案を審議した22日の第3回有識者会議では「罰金などの中身を具体的に盛り込むべき」などと指摘され、当日中にまとまらない事態も起きた。
 提言は「実効的な枠組みの整備」を求めており、調査態勢や罰則の扱いなどをさらに詰める必要がある。引き続きカギを握るのは与党内調整だ。自民党の特命委員会は土地情報を一元的に把握できるデータベース整備などを軸とする議員立法を提言しており、政府の法整備を後押しする。
 提言は政府の姿勢を示す大きな第一歩だが、来年1月召集の通常国会での法案提出へ向け、取り組みは緒に就いたばかりだ。(市岡豊大)