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習近平がWHO総会で「欺瞞」演説-台湾の陳建仁副総統が叱る中国の「無知」

ブログ「台湾は日本の生命線」より。ブログでは関連写真も↓
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 ※本稿は5月19日記。


■台湾の感染対策の貢献した陳建仁副総統


 台湾で5月20日に退任する陳建仁副総統は、世界的に有名な疫病の専門家でもあり、2003年にSARAが猖獗した際に、衛生署署長(保健相)として感染の抑え込みを指揮した実績もある。


 今回の武漢ウイルスの台湾の感染対策も、「陳建仁氏の専門家としての意見や衛生署長時代に確立した指揮センターシステムのおかげで成功し、世界にも貢献することができた」(蔡英文総統)とされる。


 温厚な人柄でも知られるだが、しかし真摯な学者だからこそ、中国の武漢ウイルスへの対応には厳しい批判を繰り返してきた。例えば3月25日にはメディアとのインタビューで次のように語っている。


 「人口が多く家畜が多い地域では新興伝染病の発生は避けられないが、怖くはない。発見したらすぐに抑え込めばいい。しかし広がってからでは遅い。動物由来感染症であれ何であれ、最初に全世界に伝染病の発生を知らせなければならない」


 「無知が最も伝染病の伝播を助ける」


 「中国は全世界に対し、世界の公民としての責任を持っている」


 言うまでもなく武漢での感染発生の初期段階で「ヒトヒト感染」情報を隠蔽し、感染を国内、そして国外へと急速に拡散させ、世界に甚大な被害を及ぼした中国政府の、不透明な体質を非難しているのだ。


 中国側は台湾副総統からの的を突いた責任追及が相当応えたらしい。新華社通信が「専門家の外套を着ながら、科学者としての謹厳さを忘れ、公然と嘘をまき散らすなど、性格は特に劣悪」とまで口汚く罵ったのは、あの国の焦りの表れに他ならない。


■防疫に重要な民主国家の情報の公開と透明性


そして陳建仁氏は、WHO年次総会(今年はビデオ会議方式)の開幕直前である5月15日の記者懇談会でも、次のようなメッセージを中国に発した。


 「台湾は感染拡大をうまく抑え込んだが、武漢肺炎を解決するのに最重要なのは情報の公開と透明性。台湾が感染拡大を抑止できた最大の理由は、自由、民主国家として一切を公開、透明化しているからだ」


 「(国際的な移動制限の解除については)感染状況に関する資料が不透明で、疑わしさがある国には長期間の観察を要する。中国では陽性者数の数さえわからない。あの国の発表の正確性は信用できない」


 「最近、吉林でも新たな感染者が確認さているが、一日も早く抑止されるよう祈る。二度と感染の爆発は見たくない」


どれもが正論と言えるだろう。もちろんこれらは世界中に共有されている認識でもある。そしてこの正論を念頭に、中国の習近平主席が18日、WHO年次総会で行ったスピーチを検証したい。


■WHO総会の習近平演説は反省なしの自己礼賛


WHOのテドロス事務局長の招きで総会冒頭に挨拶に立った習近平氏は、次のように述べ、感染情報の隠蔽という世界中からの批判に対抗した。


 「艱苦に耐えながら卓絶なる努力を行い、巨大な代価を払いながら、中国は感染状況を転換させ、人民の生命と安全、身体の健康を守った。中国はつねに公開された透明で責任ある態度に基づき、タイムリーに感染情報をWHO及び各国に通知してきた。最初の段階で遺伝子配列等の情報を提供し、一切惜しみなく防疫、治療の経験を各方面にシェアし、助けを必要とする国々には可能な限り大量の支援を行っている」


いつもながらの、事実捏造に基づく自己礼賛で、反省というものが一切感じられない。「世界の公民としての責任」を果たそうという誠実さが完全に欠如しているのだ。


そしてまた以下のように、中国の影響下に置かれ、その情報隠蔽工作に肩入れしたと世界から非難されるテドロス事務局長を擁護した。


 「テドロス事務局長の指導下で、WHOが国際防疫協力の指導、推進で重大な貢献を果たしていることは、国際社会が大いに称賛するところだ」と。


そして更には、「2年内に20億ドルの国際援助を行い、特に発展途上国のような、感染の打撃を受ける国々の防疫の戦いや社会の回復、発展を支援する」とも表明しているが、産経新聞などは、「中国の国際的な支援を強調し、新型コロナウイルス感染拡大をめぐる『責任論』をかわす狙いがありそうだ」と、その悪意を見抜いている。


そればかりかこうした「国際援助」について習近平氏は、「人類運命共同体の理念を堅持」してのものだとも明言しているだ。「武漢ウイルス後」に中国主導の国際秩序(人類運命共同体)を構築するとの野心を平然と剥き出しにしたのである。


 以疫謀覇、つまりウイルス禍に乗じて世界の覇権を握ろうと躍起となる習近平氏。この国にはもはや、民主国家が期待してきた良識など持ち合わせていないということが、今までにないほど国際社会に印象付けられたはずだ。


■台湾排除はWHOへの「中国の政治」持ち込み


今回も台湾はWHO総会へのオブザーバー参加が叶わなかったが、陳建仁氏は15日の懇談会で、この問題にも触れている。


 「鍵となるのはWHOが自らの業務に徹し、中立性を守り、全世界の人類の健康、人権を尊重することができるかどうか。過度に政治問題に配慮されると、チャンスは小さくなる。台湾がWHOに参加できれば、台湾とWHOと全世界の三者がウィンウィンウィンという最良の結果となるのだが」


 「台湾を健康ネットワークの中の孤児にしてはならない。しかし残念ながら政治的な関係により、台湾人民は孤児扱いだ」


このようにWHO事務局による台湾排除は、同機関に持ち込んではならない「政治」の持ち込みなのである。


 台湾の総会参加を拒むのは、台湾併呑という「政治」目標を掲げる中国であり、「公衆衛生より(中国の)政治を優先している」と米国政府からも非難されるWHO事務局の存在なのだ。「一つの中国」(台湾は中国の領土の一部)という政治宣伝を台湾が受け入れないため、中国政府は、WHO事務局に台湾への招待を出すことを許さない訳である。


 朝日新聞は「中国との政治対立を背景にWHOから排除されてきた台湾」との表現で報じるが、実際には台中双方が政治的に対立しているというより、中国が一方的に政治的圧力を掛けていると見た方がより正確だろう。


■WHO改革で中国の影響下から脱却すべき


例えば14日、中国外交部の趙立賢報道官は14日、太々しくもこう述べた。


 「(台湾政府が)両岸が同じ一つの中国に属することを認ないため、中国台湾地区の総会参加の政治的基礎は存在しなくなった」


 「この基礎は民進党当局が一方的に放棄したのだ。台湾地区が総会に参加できなくなったのは民進党当局のせいであり、そのことは自分たちでも実はわかっている。中国及び多くの加盟国は台湾地区の参加を断固反対しているのだから、事務局長も自ずと招待できなくなるのだ」


このように「一つの中国」原則の受け入れが、台湾が総会に参加する「政治的基礎」とする中国側に対して台湾政府は、「(「一つの中国」など)もともと存在しないのだから受け入れようがない。毎回、総会参加は非常に難しいが、参加することは健康問題にとり重要なので、努力していくしかない」(陳時中・衛生福利部長=保健相)という構え。


このように台湾側は、「政治」的主張を巡って中国と対立している訳ではないのである。


 中国が言うように、これまで「多くの加盟国」が台湾の参加に反対してきた。アフリカ諸国をはじめとする中国の影響下に陥っている国々だ。15日にはEU加盟国からもそんな国が現れた。中国での報道によるとハンガリーのシーヤールトー外相が中国の王毅外相との通話で、「ハンガリーは『一つの中国』原則を堅持し、台湾のWHO加盟や総会参加を支持しない」と表明したというのだ。


しかしその一方で、台湾の総会参加を支持する声も高まりを見せている。米国はもとより日本なども積極的に後押ししている。台湾外務省の統計によれば15日の段階で29カ国の政府が支持を表明し、43カ国の立法府あるいは議員も支持表明をしているという。


 陳建仁氏が主張するようにWHO事務局は政治的に中立でなければ本来の機能は十分に果たし得ない。しかしWHOの改革が進み、台湾の参加が達成されたとすれば、その時こそこの機関が中国覇権主義の政治的影響下から脱却したことを意味するのだろう。


 台湾参加支持の動きが、更に広がりを見せることに期待したい。


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