【シドニー時事】山上信吾新駐オーストラリア大使は、２９日付の経済紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビューに掲載されたインタビュー記事で、中国が海と空から日本や台湾の領域を侵犯しているとして、豪州に対して地域の平和と安定に向け、東シナ海で合同の海軍演習やパトロールを強化するよう期待を示した。
　中国軍機は先週末に台湾の防空識別圏に一時侵入。尖閣諸島の周辺海域では中国公船が日本の領海侵入を繰り返している。山上大使は「東シナ海の安全保障の状況は年々悪化しており、われわれにとっての大きな懸念だ」と指摘した。
　山上大使は、中国から経済的な圧力を受けた日本の経験を踏まえて、豪州が中国への依存を引き下げることを日本が支援する意思があると説明。「世界の目は豪州に向けられている」と話した。また、豪州との間で機密情報の共有を強化することが優先課題の一つと強調した。