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「中国軍が兵士の給与40%アップ」の報道 人材確保、流出防止に苦心?

【東方新報】独自報道で定評がある香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)が「中国の人民解放軍が今年、兵士の大幅昇給を計画している」と報じ、海外メディアも報道を引用して伝えている。人材の確保や流出防止のため大胆な財政措置に乗り出しているとみられる。


 報道によると、人民解放軍は軍人の給与を一気に40%引き上げると見込まれている。その中でも、勤務環境が過酷な新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)やチベット自治区(Tibet Autonomous Region)、他国との対立が続く東シナ海や南シナ海に勤務する兵士、さらに「前途有望な若手軍人」には特別手当を上積みするという。匿名の北京在住の上校(大佐に相当)は取材に「昇給は近く実施されると聞いている。最大で7000元(約11万4058円)増え、月収は2万元(約32万5882円)を超える」と語っている。


 中国の人口約14億人に対し、現在の軍の総兵員数は約200万人。中国では名目上は徴兵制をとっているが若者全員を入隊させる必要はなく、志願者によって軍を構成してきた。


 習近平(Xi Jinping)国家主席は就任後、「(召集があれば)すぐ戦い、戦えば必ず勝つ軍隊」づくりを強調し、軍のスリム化やハイテク化を進めてきた。


 ただ、兵士の平均給与の詳細は明らかではないが、同年代の会社員らと比べて給与は高くないといわれている。軍の給料問題は慢性的なもので、一部の地域や部署ではサボタージュや物資の横領などの問題行為が起きているとも指摘されている。また、退役軍人が年金や社会保障への不満から各地で抗議行動を起こしている。こうした現状は現場の士気を下げ、若者が入隊を敬遠することにつながる。優秀な人材を集め、さらに流出を防ぐため、給与の大幅アップが考えられているようだ。


 中国では「好鉄不打釘、好男不当兵」(良い鉄はくぎに使われず、良い男子は兵にならない)という言葉が古くからある。「優れた男は最前線で戦わされる一兵卒にならない」という意味合いだが、最近では「高学歴の知識人は兵士にならない」と表現できる。経済成長が続く近年の中国では、高学歴の若者が次々と起業したり、一流企業に高額の年俸制の契約で入社したりしている。宇宙部隊の創設や原子力空母の建造など軍の高度化を進める指導部にとって、若手の優秀な人材確保は不可欠。特別手当を積み増す対象に「前途有望な若手軍人」が入っているのはそうした背景があると推測される。


【翻訳編集】(c)東方新報/AFPBB News