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安倍総理の志は死なない!!

英中関係、メディアを舞台にさらに緊張高まる

 【ロンドン=板東和正、北京=三塚聖平】英国と中国が双方の報道機関をめぐり、対立を深めている。英国は中国国営中央テレビの海外放送を手掛ける「中国環球電視網(CGTN)」について、実質的に中国共産党の管理下にあることを理由に英国での放送免許を取り消した。これに対し中国側は強く反発し、英BBC放送への報復をにおわせる事態となっている。


 英国のメディア規制当局は4日、CGTNについて、中国共産党が番組の最終的な編集権を握っていると判断。政治団体の影響下にある組織は放送免許を持てないとする英国の法律に違反する、と結論づけた。


 CGTNは中国の対外情報発信強化のため、国営中央テレビの国際放送部門を分離した組織。米国のトランプ前政権は昨年2月、CGTNを「中国共産党のプロパガンダ(政治宣伝)機関」と認定していた。


 一方、中国外務省の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は5日、英側の措置を「政治的抑圧だ」と非難した。「中国メディアの正当な権益を守る」として、対抗措置も示唆した。


 すでに中国外務省は4日、BBCが新型コロナウイルスに関する「フェイク(虚偽)ニュースを報じた」として厳重な申し入れを行ったと発表。BBCに「さらなる措置をとる権利を保留する」としていた。


 一方、英紙テレグラフ(電子版)は4日、英政府が昨年、記者を装い入国した中国人3人を追放したと報じた。3人は中国情報機関、国家安全省の諜報員とみられる。中国の報道機関が3人の入国に加担していた可能性があり、英政府は警戒を強めている。


 英政府は、香港や新疆ウイグル自治区での人権問題に批判的な姿勢を示している。1月31日には、香港国家安全維持法(国安法)への対抗措置として、香港市民の英国永住権取得に道を開く特別査証(ビザ)の申請の受け付けを開始し、中国側が猛反発していた。


 ジョンソン政権は、キャメロン政権(2010~16年)が主に習近平政権と進めた英中蜜月の「黄金時代」に決別し、対中強硬路線にカジを切ったようだ。