尖閣操業計画した長尾敬議員「危険顧みぬ漁師に応える」
産経新聞社 尖閣操業計画した長尾敬議員「危険顧みぬ漁師に応える」
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での漁業活動を計画した自民党の長尾敬衆院議員が9日、産経新聞の取材に応じた。中国海警局(海警)に武器使用の権限などを定めた海警法の施行に伴い、中国公船のさらなる脅威に直面している日本人漁師の苦闘を紹介。「出漁者が減り、空白域になりかねない状況だ。それでも先祖から受け継ぐ漁場を守ろうと操業する漁師がいる。彼らの思いに応え、安心して漁ができる環境整備を行っていく」と語った。
長尾氏は5日に出漁する予定だったが、水産庁は「純粋な漁業活動として認められない」として漁師のみ許可した。主な一問一答は以下の通り。(奥原慎平)
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--尖閣諸島海域への出漁を計画したが
「この10年で25回近く石垣の漁師たちの出漁を手伝ってきた。そのうち5回は私も同船した。政治家として現場を体験することは必要なことだ。海警の船に追いかけられる危険も顧みずに漁に出る彼らの信念を目の当たりにし、安心して漁に出られる環境づくりにつなげたいと、政治家として改めて強く思っている」
--水産庁は長尾氏の出漁を認めなかった
「水産庁の通知を守るのは当然のことだが、以前は問題なく尖閣周辺で操業できたし、マスコミも同船できた。理由は不明だが、平成26年頃から規制が厳しくなった。記者には尖閣に行って、いかに中国公船によって漁師の安全が脅かされているかを報じてもらいたい」
--国会議員が出漁すれば外交問題に発展しかねないとの指摘もある
「それは百も承知だが、批判すべきは領海侵犯を繰り返す中国側の対応だ。その影響で尖閣に出漁する漁業者は激減している。石垣市でも10人に満たないのではないか。彼らまで行かなくなったら、漁業の空白地域になりかねない。そうなれば海上保安庁の巡視船も尖閣に向かわなくなり、結果として海警の船がどんどん侵入してくる」
--政治家として、どう対応するか
「まずはわれわれが尖閣海域に普通に行ける環境を整えるべきだ。その際は、危険を排するためにどのような法整備を構築しなければいけないのかを考える必要がある。ただ、危険な海だからといって逃げるならば中国側の思うつぼだ。尖閣への公務員常駐や灯台の建設などを政府側に働きかけていく」
--海警法施行後、漁業者らが尖閣に向かったのは5日が初めてだった
「20~50歳代の6人の地元漁師が出漁した。付き合いは10年近くになる。恐怖感もあったと思うが、危険を顧みずに出漁し、結果的に日本のプレゼンスを示してくれた彼らには『ありがとう』としか言えない。一方、彼らに対する海警側の対応は気持ち悪いくらい静かだったという」
「アカマチ(=ハマダイ)や白身魚『シイラ』を釣ってきた彼らは何とも言えない、いい笑顔を浮かべていた。先祖から受け継いだ漁場を守りたいという気持ちに加え、領海を守っているという使命感がある。彼らが政治に求めているのは一つしかない。昔のように普通に漁に行けるようにしてくれと。われわれは彼らの期待に応えなければならない」
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