Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

中国・習政権が入国者に「肛門PCR検査」 前提に人権意識の欠如、海外からの入国制限の狙いも 識者「北京五輪ボイコットを」

 中国で5日、全国人民代表大会(全人代)が開幕した。習近平指導部は新5カ年計画など経済成長をアピールするが、国際社会が注視しているのは香港やウイグル、台湾などの人権問題だ。そして中国当局の人権軽視を象徴する行為として非難されているのが、入国者の一部に対して実施されている新型コロナウイルスの「肛門PCR検査」だ。2022年北京冬季五輪のホスト国としての資格も問われる異様な事態だ。



 全人代では、政府活動報告で、今年の国内総生産(GDP)成長率の目標を「6・0%以上」と設定した。


 新たな5カ年計画も公表したが、こちらは成長率目標を設定せず「毎年の状況に応じて目標を打ち出す」と説明した。


 民主派を排除するため香港の選挙制度見直しも議論し、香港政治の舞台から民主派を排除する構えだ。これを見越して、当局の不正を告発する市民を支援してきた北京の70代女性は、開幕前に当局者に雲南省へ連行された。重要な政治日程の際に監視強化の手段として常態化している「強制旅行」と呼ばれる措置。政府非公認の教会指導者も、北京郊外で軟禁状態となっているという。


 海外から中国への入国者に対する新型コロナウイルスのPCR検査で、従来の鼻やのどに加え、今年1月から肛門からの検体採取(肛門スワブ検査)が一部で行われていることも批判されている。


 消毒した綿棒を肛門に約3~5センチ挿入するという方式で、日本の外務省担当者は、中国の地方都市で肛門スワブ検査を受けたと在留邦人から情報が寄せられていることを明らかにした。


 在留邦人の情報提供によると、検査は自身で実施するのではなく、他者が肛門に棒を挿入することで実施されているという。


 日本政府によると、中国以外で肛門スワブ検査を実施している国は確認されておらず、加藤勝信官房長官は1日の記者会見で、「一部邦人から心理的苦痛が大きいなどの意見が寄せられている」と述べ、在中国日本大使館が、総合的な観点から中国外務省と北京市当局に邦人への実施免除を申し入れたことを明らかにした。


 だが、4日時点で中国側から検査の見直しや免除を認めるといった回答は来ていないという。


 米CNNは、米国務省も一部の外交官が対象になったとして中国外務省に抗議したと報じた。


 中国メディアは、肛門からの検体採取では鼻やのどに比べて陽性反応を示す時間が長いと検査を正当化しているが、元厚労省医系技官の木村盛世氏は、「肛門から検体を採取する検査は導入されて間もないためデータも少なく、信頼性も担保されていない。従来の検査より有効性が高いと主張するのは困難だろう。検査の正確性を高めるには信頼できる他者が行う必要があるが、肛門検査は非常にセンシティブで、心理的な負担も大きいのではないか」と指摘する。


 のどや鼻の検査よりも時間も手間もかかるはずだが、肛門検査にこだわる理由はあるのか。中国事情に詳しい評論家の石平氏は、「前提にあるのは、中国共産党における人権意識の欠如だ。肛門を介したPCR検査など人の尊厳やプライドを傷付けるような行為だが、そうした決定を躊躇(ちゅうちょ)なく行えるということだろう」と指摘した。


 国際政治学者の藤井厳喜氏は、「中国としては、海外からの入国を制限したい狙いがあるのではないか。国内も自由経済に傾きつつあったが、経済不振により再社会主義化の動きも感じられる。モノは輸出してビジネスを行いたいが、入国を制限することで民主主義国家との対立を明確にしたい思惑が感じられる」との見方を示す。


 だが、来年2月には北京で冬季五輪が開幕する予定で、中国は当然ながらホスト国として人権に配慮したふるまいが求められる。一部とはいえ海外からの入国者に肛門PCR検査を義務付けるような国に五輪を開く資格はあるのか。


 前出の藤井氏は、「日本も検査方法の見直しを求めるのではなく、毅然(きぜん)とした態度で中国への入出国を制限することを検討すべきだ。北京五輪も現状のままではボイコットを検討せざるを得ないだろう」と指摘した。