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「海洋安保の協力促進」明記、中国をけん制…日米豪印が共同声明

読売新聞 日米豪印の4か国テレビ首脳会議に臨む菅首相(右、中央は茂木外相)(12日午後10時42分、首相官邸で)=守谷遼平撮影
 日本と米国、オーストラリアとインドの4か国は13日未明、海洋安全保障協力などを盛り込んだテレビ首脳会議の共同声明を発表した。インド太平洋地域への新型コロナウイルスのワクチン普及に向けた協力も明記した。
 4か国首脳が会談するのは初めてで、12日午後10時半から約1時間45分行われた。
 共同声明は、公海自由の原則などを規定した国連海洋法条約の重要性に触れ、「東シナ海及び南シナ海におけるルールに基づく海洋秩序に対する挑戦に対応するべく、海洋安全保障を含む協力を促進する」と明記した。名指しは避けながらも、東・南シナ海で軍事力を背景に一方的な現状変更の試みを強める中国を念頭に、けん制するものだ。
 非同盟を掲げるインドは、4か国の枠組みが中国との対決色を強めることには慎重で、共同声明が安保協力に踏み込めるかどうかが焦点となっていた。
 菅首相は会議後、記者団に「日米豪印4か国(の連携)を新たなステージに引き上げることができた」と成果を強調した。米国のジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官も記者会見で、「4首脳は中国が提起している挑戦について話し合い、誰も中国に対する幻想がないことを明確にした」と語った。
 新型コロナワクチンについては、共同声明は「インド太平洋へのワクチンの公平なアクセスを強化すべく協働する」とした。
 4か国は今後、インド製ワクチンを途上国などが入手できるよう、インドの生産力拡大を図る。日本政府はインドへの円借款で増産を支援する方針だ。米国はインドの製薬会社に融資し、2022年末までに最低10億回分の増産を確保する方向だ。インドのハーシュ・シュリングラ外務次官は会議後の記者会見で、ワクチン協力について「今日の議論の中で最も重要な構想の一つだ」と評価した。
 共同声明では、ワクチン支援と気候変動問題、高速・大容量通信規格「5G」などの重要・新興技術の3分野で、それぞれ作業部会を設置することも打ち出した。
 今年末までに対面での4か国首脳会議を開催することも表明した。印政府高官によると、豪印両国が英国にゲストとして招待されている6月の先進7か国(G7)首脳会議に合わせて実現を目指すという。
 日米豪印の枠組みは数字の「4」を表す「Quad」(クアッド)と呼ばれ、共同声明の表題は「クアッドの精神」とされた。
◇共同声明のポイント
▽自由で開かれ、ルールに基づく秩序の推進に関与
▽東・南シナ海での海洋秩序への挑戦に対応するため、海洋安全保障協力を促進
▽インド太平洋地域への新型コロナウイルスのワクチン普及へ協力
▽ワクチン、気候変動、重要・新興技術の3作業部会を設置
▽年内に対面の首脳会議を開催。外相会議を少なくとも年1回開催