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安倍総理の志は死なない!!

旧宮家の皇籍復帰が焦点 政府、皇位継承議論を始動へ

 政府は皇位継承に伴う一連の儀式が全て終了したことを受けて有識者会議を設置し、国会の要請に応えた。これまで女性・女系天皇や女性宮家の創設を中心に検討が進められてきたが、有識者会議では旧宮家の皇籍復帰に関する論点がどう整理されるかが大きな焦点となる。


 「男系継承が古来例外なく維持されてきた重みを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行う必要がある」


 加藤勝信官房長官は16日の参院内閣委員会で、男系継承を重視する従来の政府方針を改めて強調した。


 憲法2条は「皇位は、世襲のもの」と規定し、皇室典範では皇位継承の資格を父方に天皇の血筋を引く男系男子に限定している。現在、皇位継承資格を持つ皇族は(1)秋篠宮さま(2)悠仁さま(3)常陸宮さま-の3方で戦後最少となっている。


 これまで政府は皇室の家族構成などを考慮し、女性天皇や女性宮家の創設などを議論の中心に据えてきた。加藤氏は記者会見で、今回の有識者会議でも平成17年11月の小泉純一郎内閣が示した女性・女系天皇を容認する報告書や、24年10月に野田佳彦内閣が公表した「女性宮家創設」を含む論点整理も踏まえて議論を進める考えを示した。


 ただ、母方の血筋を引く女系天皇は過去に存在せず、別の王朝を作るのと同じ意味を持つ。そのため保守派からの反発は強い。


 一方で、菅義偉(すが・よしひで)内閣は世論の理解を得にくいとして、皇族を増やすことにつながる旧宮家の皇籍復帰には慎重だった。首相は官房長官時代、旧宮家の意向確認は考えていないと説明し、加藤氏も踏襲してきた。


 だが、加藤氏は16日の記者会見で、皇籍復帰について「予断を持つことなく議論していただきたい」と含みを持たせた。自民党の閣僚経験者は「首相も加藤氏も男系維持の重みは理解しているはず。旧宮家の皇籍復帰も議論してほしい」と期待を寄せる。


 首相に近い自民議員は、秋までに衆院選が行われる政治日程を踏まえ「(近々に)結論を出せるはずがない。女系天皇の話が出てきたら保守層の反発を招く」と解説し、結論は先送りするとの見方を示した。(千田恒弥)