インド太平洋連携強化確認=米印国防相、中国けん制
【ニューデリー時事】アジア歴訪中のオースティン米国防長官はインドのシン国防相と20日、ニューデリーで会談し、連携強化を確認、中国をけん制する姿勢を鮮明にした。米印両国は、日本とオーストラリアを含む4カ国の枠組み(通称クアッド)で今月12日、初の首脳会談を実施し、中国の海洋進出などについて協議したばかりだ。
バイデン米政権の閣僚が訪印するのは初めて。オースティン氏は会談後、記者団に対し「インドとの包括的で未来志向の防衛協力は(インド太平洋)地域における米国の取り組みの柱だ」と述べ、連携をさらに強める姿勢を示した。
シン氏は「幅広い防衛協力や、情報共有、相互補給支援などの分野での軍同士の関係拡大が議論の焦点だった」と説明。「米国のインド太平洋軍や中央軍、アフリカ軍との協力を強めることで合意した」と成果を強調した。
インドのメディアによれば、両氏は、45年ぶりの死傷者を出した昨年の国境地帯での中印両軍の対立について協議したもようだ。米国からの無人攻撃機購入などをめぐっても議論したと考えられている。
また、和平プロセスが停滞しているアフガニスタン情勢に関しても意見交換したとみられる。米国は、国連主導のアフガン和平協議を開くことを提案。4月にトルコで開催予定の会議には、アフガンに強い影響力を持つ隣国パキスタンの存在を念頭に、インドも参加を予定している。
航行の自由の保障や法の支配の確立を目指す「自由で開かれたインド太平洋」構想を日豪と共に掲げる米印は、2018年に初の外務・国防閣僚協議(2プラス2)を実施。高度な軍事機密を共有するための通信互換性保護協定(COMCASA)を締結した。20年には、両国関係を包括的グローバル戦略パートナーシップに格上げすることを決めた。
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