Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

中国が揺さぶりをかけてきた! 菅首相訪米を吹っ飛ばす二階幹事長「電撃訪朝」計画

 菅義偉・首相の「外交デビュー」が4月のバイデン大統領との日米首脳会談に決まった。各国首脳に先駆けて、今年1月に就任したバイデン大統領と会談できるとあって、首相は早速、コロナワクチンの予防接種を受けるなど張り切っている。
 だが、そんなパフォーマンス外交の裏で、政界では別の外交プランが画策されているという。政権を支える二階俊博・自民党幹事長の訪朝計画だ。
 さる3月10日、二階氏は超党派の「日朝国交正常化推進議員連盟」の会合で、これまでの政府の対応を「何もしないで時間を過ごしておったら無意味。結果的にはなんら実績があがっていない」と正面から批判し、「この関係者での訪朝も考えてみなければならない」とぶち上げた。自民党外交部会の幹部が語る。
「二階さんは自分が団長となって訪朝することに意欲を見せている。これまで拉致問題に熱心とは言えなかった二階さんが、にわかに動き出した背景には、中国が内々に二階さんに訪朝の橋渡しを持ちかけてきているという情報がある」
 同議連は日朝交流重視派議員が設立し、二階氏は顧問を務める。日朝関係悪化で長く活動を休止していたが、今回、二階氏や立憲民主党の福山哲郎・幹事長らが出席して3年ぶりに会合を開き、日米首脳会談でバイデン政権に拉致問題解決への協力を働きかけるよう求める決議をまとめた。
 菅首相は日米首脳会談について「新型コロナや気候変動、中国、北朝鮮・拉致問題などさまざまな課題についてしっかり議論したい」と語り、拉致被害者家族会では横田めぐみさんの母・早紀江さんがアメリカの駐日臨時代理大使に日米安全保障協議委員会(2プラス2)で来日したブリンケン国務長官宛ての書簡を渡すなど、バイデン政権に拉致問題をどう訴えるかがクローズアップされている。一連の動きは連動しているようにも見えるが、二階氏の動きは決して菅首相の“側面支援”ではない。
 二階氏は菅首相が金正恩総書記と「条件をつけずに会う用意がある」と呼びかけていることに対し、議連の会合で、「条件をつけずに向き合うって、それどうするんだ。こんなことでは国民は納得しない」とこき下ろしているのである。
 二階氏は親中派として知られる。だからこそ中国は、二階氏を通じて日本の外交を揺さぶろうとしているのだろう。対中強硬姿勢を崩さないアメリカに日本が尻尾を振るのをやめさせたい中国は、二階氏に北朝鮮問題で手柄を立てさせ、菅首相の訪米が空振りだったと印象づける戦略かもしれない。少なくとも日本の政府と与党にすきま風を吹かせる効果はあるだろう。前出の外交部会幹部は警戒する。
「バイデン政権が中国とコトを構えようとしているときに、菅首相が中国の思惑に乗った二階氏の訪朝計画を止められなければ、アメリカの虎の尾を踏むことになりかねない」
 菅首相には外交経験はほとんどなく、大国と駆け引きする手腕もない。二階氏が中国の誘いに乗って日本が二元外交に踏み出せば、政府と与党はバラバラになり、日米同盟もクアッド(日本、アメリカ、オーストラリア、インドの首脳や外相による安全保障や経済を協議する枠組み)も危うくなる。笑うは中国ばかりである。
■武冨薫(ジャーナリスト)