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安倍総理の志は死なない!!

南樺太の戦禍や生活、語り継ぎ73年 全国組織が解散へ

朝日新聞社 南樺太・豊原(現ロシア・ユジノサハリンスク)市街地=撮影年不明(1965年発行の「樺太写真帖」から)
 終戦まで約40年間、日本が統治した南樺太(現ロシア・サハリン)からの引き揚げ者らでつくる「全国樺太連盟」が3月末に解散し、73年の歴史に幕を閉じる。会員の平均年齢が84歳を超え、会員数も減少し、歴史を継承する取り組みが難しくなったのが理由だ。
 南樺太では1945年の終戦間際に参戦した旧ソ連との間で、8月15日以降も戦闘が続いた。真岡(現ホルムスク)では20日、旧ソ連の軍艦が迫る中、女性電話交換手9人が服毒自殺。22日には引き揚げ船3隻が北海道沖で相次いで潜水艦の攻撃を受け、約1700人が亡くなる「三船遭難事件」が起きた。
 全国樺太連盟は48年4月にできた。当初の課題は、現地に残された人の帰還促進や引き揚げ者の生活の援護。その後、三船遭難事件の合同慰霊碑建設などの慰霊事業のほか、樺太での生活や戦争体験を語り継ぐ活動をしてきた。
 一方、会員は94年度の約6300人をピークに減り、現在は960人余りに。高齢化も進み、活動の続行は困難だとして昨年、正式に解散を決めた。
 戦後に樺太・豊原(現ユジノサハリンスク)で生まれた常務理事の辻力さん(74)は「樺太史を残す努力を精いっぱいしてきたが、まだ足りないという思いは残っています」と話す。