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安倍総理の志は死なない!!

シリア難民支えるウイグル族=トルコ中部、迫害受け連帯

 【カイセリ(トルコ)時事】トルコ中部の山麓の都市カイセリにある亡命ウイグル族のコミュニティーがシリア難民を受け入れ、人々は質素ながらも穏やかな生活を送っている。ウイグル族とシリア難民は政治的な迫害で郷土を追われる悲劇を共に経験。イスラム教徒で生活習慣が近いことも助けとなり、共存が実現した。
© 時事通信 提供 ウイグル族のムーサ・カディルさん(左)、シリア難民のファティマさん(中央)夫妻と、4人の子どもたち=19日、トルコ中部カイセリ
 カイセリの中心部から少し離れた場所に、中国での迫害から逃れて移住してきた人々が暮らす「トルキスタン居住区」がある。第1世代がアフガニスタン経由でたどり着いたのは1960年代。現在はその子どもや孫の世代を含む500世帯以上が暮らす。
 テブフィク・ハムザさん(55)の一家は2014年、内戦下のシリア北東部ハサカからやって来た。ウイグル族の一家が以前住んでいた家屋に、夫妻と子ども5人で入居している。「ウイグルの人たちととても素晴らしい生活を送っているよ」と話すテブフィクさんの表情に曇りはない。
 その隣に暮らすウイグル族のムーサ・カディルさん(43)は、中国・新疆ウイグル自治区のアクスからベトナム、カンボジア、タイ、マレーシアを経由し14年にトルコのイスタンブール入り。その後、シリア北西部イドリブ県からトルコに逃れたファティマさん(37)と知り合って恋に落ち、16年に結婚した。2人でこの居住区に転居し、5年間で4人の子宝に恵まれた。
© 時事通信 提供 自宅で子どもとくつろぎ、笑顔を見せるシリア難民のファティマさん=19日、トルコ中部カイセリ
 ファティマさんは「可能なら将来、夫の故郷に行きたい。自分の両親は(内戦が続くシリアで)行方が分からず、シリアに戻っても意味がない」と語った。
 居住区のリーダー格、ウイグル族のアブドルカディル・トゥムトゥルクさん(44)は「中国の迫害に苦しむわれわれには、内戦で弾圧にさらされたシリア人の気持ちが理解できる」と誇らしげだ。トルコ政府や篤志家らから届いた支援物資は、各世帯の必要に応じて分け隔てなく分配されているという。