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中国、「包囲網」揺さぶり=国防相が欧州でNATO批判―外相は中東の支持取り付け

 【北京時事】バイデン米政権が欧州や日本との同盟強化に動く中、中国は対中包囲網を揺さぶろうと欧州や中東で外交を活発化させている。魏鳳和国務委員兼国防相は友好国セルビアで米欧の北大西洋条約機構(NATO)を批判。王毅国務委員兼外相は伝統的に欧州の影響が強い中東諸国を歴訪し、人権問題などに関し中国の立場への支持取り付けを進めている。
 中国国防省によると、魏氏は26日、NATO軍が1999年5月に対旧ユーゴスラビア軍事作戦で誤って空爆した在ベオグラード中国大使館の慰霊碑を訪れ献花した。中国メディア記者3人が誤爆で死亡。中国では当時、反米抗議デモが起きるなど大きな外交問題に発展した。
 献花前に魏氏はセルビアのブチッチ大統領と会談。NATOの誤爆を「中国人民は永遠に忘れず、中国軍はこうした歴史が繰り返されるのを断じて許さない」と強く非難した。ブチッチ氏は香港、台湾、新疆ウイグル自治区の「内政問題」への干渉を拒む中国の立場を支持し、双方は軍事など幅広い分野での協力強化で一致した。
 これに先立ちブリンケン米国務長官は23、24両日のNATO外相理事会に出席し、米欧同盟の再強化をアピール。中国外務省の華春瑩報道局長は26日の記者会見で「中国を『挑戦』と呼ぶNATOは(誤爆で)中国人民が流した血に借りがある」とけん制した。
 王氏は30日まで、米国と対立するイランなど中東6カ国を訪問。中東は米国の関与が薄まりつつあり、その空白を埋めようと積極外交を展開している。新疆のイスラム系少数民族への人権侵害追及で結束する米欧に向け、イスラム諸国との連携を誇示する狙いもあるとみられる。
 24日には、米政権が記者殺害事件への関与を指摘したサウジアラビアのムハンマド皇太子と会談し「中国の新疆や香港での正当な立場を断固支持する」との言質を取った。王氏は28日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブドラ外相との会談で「一部西側の人権観は国際人権観を全く代表しない」と主張。アブドラ氏は「己の価値観を人に強いるのは覇権主義の現れだ」と同調した。