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中国空母が沖縄通過、日本は宮崎に「F35B」配備検討 試される「日米同盟の絆」 識者「『第5世代の戦闘機』で対抗するとの中国へのメッセージ」

 習近平国家主席率いる中国が軍事的挑発を続けている。中国海軍の空母「遼寧」などの艦艇計6隻が3日、沖縄本島と宮古島の間を南下し、太平洋に入った。海上自衛隊が先月初めて確認した中国海軍最大規模のレンハイ級ミサイル駆逐艦も含まれていた。ジョー・バイデン米大統領の対中姿勢や高齢に不安が残るなか、1週間延期された日米首脳会談(16日)を見据えて、「日米同盟の絆」を試したのか。防衛省は南西方面の防衛力を強化するため、今後導入する最新鋭ステルス戦闘機「F35B」について、航空自衛隊の新田原基地(宮崎県)への配備を検討している。 


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 「日中とも実戦も見据えた戦略的な動きだ」「中国艦隊の沖縄通過は、対外的な威圧と、艦隊の連携に関する演習という意味合いがある」


 軍事ジャーナリストの世良光弘氏はまず、こう語った。詳細な分析は後述するとして、空母「遼寧」を中心とする艦隊の沖縄通過は無視できない。


 防衛省統合幕僚監部によると、3日午前8時ごろ、男女群島(長崎県)の南西約470キロで、海上自衛隊が6隻を見つけた。6隻はその後、沖縄本島と宮古島の間の公海を抜けた。


 6隻は、空母「遼寧」と、レンハイ級ミサイル駆逐艦1隻、ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦2隻、ジャンカイII級フリゲート1隻、フユ級高速戦闘支援艦1隻。「遼寧」が、この海域を通過するのを確認したのは昨年4月以来。


 海上自衛隊は今回、護衛艦「すずつき」や、哨戒機のP1、P3Cで、航行を監視。自衛隊への危険な行動はなかったとしている。


 中国艦隊の注目は、レンハイ級ミサイル駆逐艦だ。台湾海軍の論文などによると、全長174メートルで、満載排水量1万3200トン。最大速度は32ノット(時速約60キロ)。中国は「駆逐艦」と称しているが、米国防省は「巡洋艦」に位置付けているという。遠洋航行能力や攻撃力が高いとされ、海自は先月、対馬海峡から日本海へ航行したのを初めて確認したばかり。その後、日本海周辺に約1週間滞在していた。


 さらに、沖縄本島と宮古島の間では4日午後、中国軍のY9哨戒機が公海上空を往復。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)で対応した。


 沖縄県を含む、南西方面の安全保障環境が厳しくなるなか、防衛省が、最新鋭ステルス戦闘機F35Bについて、航空自衛隊の新田原基地(宮崎県)への配備を検討していることが分かった。F35Bは短距離離陸・垂直着陸が可能で、空母などの大型艦に搭載できる特徴を持つ。


 防衛省は、中期防衛力整備計画で2023年度までにF35Bを18機導入するとしており、最終的には42機態勢にしたい考えだ。


 全通式甲板を備えるヘリコプター搭載護衛艦「いずも」と、同型艦「かが」を改修して「空母化」し、F35Bを運用できるようにする計画だ。


 F35Bの新田原基地配備は南西方面の防衛力を強化させる。米軍はF35Bを岩国基地(山口県岩国市)に配備しており、海上自衛隊の呉基地(広島県呉市)が母港の「かが」を含めた日米共同訓練も想定される。


 ■「岩国基地や沖縄周辺と連携するために立地も好条件」


 中国最大級の駆逐艦登場や、F35Bの宮崎配備計画をどう分析するか。


 前出の世良氏は「中国のレンハイ級駆逐艦は、排水量や全長なども世界的にも屈指の規模で、情報通信システムであるデータ・リンクや、対空戦闘能力も前身の駆逐艦と比べて向上している。中国の空母打撃群を守るための旗艦となるとみられる。一方、日本が宮崎に『F35B』を配備する計画を発表したことで、ステルス性を備えた『第5世代の戦闘機』で対抗するとの中国へのメッセージになる。宮崎は海自岩国基地や沖縄周辺と連携するために立地も好条件だ」と語った。


 このタイミングでの示威行動の意味は何か。


 国際政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「バイデン政権が表面上、『同盟国との関係強化』を掲げるなか、中国側は、米国がどこまで具体的行動に移せるかを試しているのではないか。日本同様、フィリピン周辺海域で最近、中国艦船の特異な行動がみられるのもそのためだろう。16日の日米首脳会談では、菅義偉首相とバイデン氏が中国の肝を冷やすような議題を挙げられるかが重要だ」と語った。