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インドネシア人乗船員、中国漁船から飛び降りて漂流7時間 過酷労働から脱出

中国漁船によるインドネシア人漁船員の強制労働問題が相次いでいる。インドネシア外務省によると、マラッカ海峡を航行中の中国漁船に乗船していたインドネシア人乗組員2人は6月5日、劣悪な労働環境から逃げるために、海に飛び込んだ。彼らは船内で脅迫や暴力を受けたという。
外務省の海外労働保護担当代表ジュダハ・ヌグラハ(Judha Nugraha)氏によれば、8日、マレー半島とインドネシアのスマトラ島の間にあるマラッカ海峡を航行していた中国籍漁船「 Lu Qing Yuan Yu 901」から、同船乗組員だったインドネシア人のアンドリー(Andry Juniansyah)さん(30)とレイナルフ(Reynalf)さん(22)が飛び降りたと説明した。2人はおよそ7時間漂流した後、同国カリムン島に到着し、通りがかりの漁船に救助された。健康状態は良好だという。
アンドリーさんの妻によれば、夫は韓国の会社から高額の給与を約束され、北スマトラの人材紹介会社PT.Duta Putra Groupの仲介で応募した。しかし、仕事内容が偽られており、中国漁船に乗せられた。給与は月給2500万インドネシア・ルピー(約1773ドル)と記されていた。2人は、韓国渡航前に紹介会社に5000万ルピー(3500ドル)の保証金を渡したという。
インドネシア人の労働監視団体Destructive Fishing Watch (DFW) インドネシア代表モハマド・アブディ・スフファン(Mohammad Abdi Suhufan)氏によると、2人は1月24日、ジャカルタからシンガポール経由で韓国に渡る予定だったが、「韓国渡航はキャンセルされた」と告げられ、中国漁船での勤務になった。2人は中国籍漁船「 Lu Qing Yuan Yu 901」に乗船し、インド洋で漁を行うことになった。2人のほか、インドネシア人乗組員が10人乗船していたという。
スフファン氏によると、インドネシアの12人の乗組員は、中国の乗組員や船長から勤務中に虐待を受けていた。携帯電話は没収され、家族との連絡が取れなくなった。12人は耐え続け、5カ月間働いたが給与を受け取ることはなかった。結局、漁船がマラッカ海峡を渡った6月5日、船から飛び降りた。2人は他の10人に脱出を説得したが、10人は実行しなかったという。
インドネシア移民労働者保護庁のベニー・ラムダニ(Benny Ramdhani)氏は、犯罪捜査局と協力して、人身売買取引の疑いで調査を行うと述べている。また、他の10人についても確認を急ぐという。
労働監視組織のスフファン氏によると、2019年11月~2020年6月までの間に中国漁船で働くインドネシア人乗組員31人は、奴隷や人身売買の被害に遭った。そのうち、7人が死亡し、3人は行方不明になった。
スフファン氏によれば、3月、強制労働による健康上の問題に悩まされた後、26歳のインドネシア人の男性は、中国漁船から追い出され死亡した。1月、別の中国の漁船で、インドネシア人の漁業労働者が死亡し、その1週間後、遺体はソマリア海域に遺棄された。
ラムダニ氏は、インドネシア政府は中国政府に対し、奴隷や人身売買が疑われる事件の徹底調査を求める外交文書を送っていることを強調した。
(翻訳編集・佐渡道世)