Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

将来の「台湾・中国戦争」に関する基礎知識─日本人が持っておくべき正しい認識

2020/07/07/Tue


 7月7日に某紙が掲載した論説は、「中国が戦争をする可能性」に触れ、「台湾と政権の正統性を争う大戦争の可能性がある」と指摘している。執筆したのは国際政治学者だから「中国と台湾との大戦争の可能性がある」のは事実に違いない。ただその戦争は「台湾と政権の正統性を争う」ものとはならないのである。なぜなら今日の台湾は、そのようなものを求めていないからだが、どうもそういった誤解は日本では根強い気がする。


この「政権の正統性」とは「中国政権の正統性」のことだ。つまり国共内戦後に成立した「中華人民共和国」の政府と、台湾に亡命した「中華民国」の政府との間で、いずれが全中国を代表する唯一合法の中央政府かを巡る争いがあり、いずれそれが「大戦争」に発展し得るというのが論説の指摘のようだが、台湾がそうした「争い」を展開していたのは過去のことなのである。つまり中国から逃れてきた蒋介石、経国父子の時代の話で、その後の台湾人総統、李登輝の時代には、そうしたイデオロギーは放棄されている。


 李登輝は1991年の憲法修正で、憲法の効力が及ぶ範囲を台湾、澎湖諸島、金門・馬祖地区に限定し、事実上中華人民共和国の中国統治を認めている。つまり「両岸関係の位置づけは特殊な国と国との関係となった」(李登輝)のである。


こうした「一つの中国」(台湾を中国の領土とする虚構宣伝)を否定する台湾本土化(脱中国化)の背景には、「台湾を台湾人の国にしたい」との多くの台湾住民の悲願がある。だがそうした「一つの台湾、一つの中国」を目指す台湾に慌てたのが中華人民共和国だ。それを「台湾独立」の動きだと断言し、台湾併呑のために軍備拡張を加速させ、今日に至っている訳である。


 他方台湾は、そうした中国に対して専守防衛の構え。「中国政権の正統性」を争う気などさらさらない。


もっとも台湾国内にも「一つの中国」を掲げ、その「中国」とは「中華民国だ」と主張する国民党のような勢力も存在はしている。ただそれは蒋家時代のような「中国政権の正統を争う」ための主張ではない。むしろ中華人民共和国との間の緊張を緩和させるため、あの国の歓心を買おうと「一つの中国」を主張するとの側面が強い。だから同党は国内向けには「中国とは中華民国だ」と強調するが、中華人民共和国との対話の場では「中華民国」の「中」の字も出すことはしない。それをすれば中華人民共和国を怒らせ、関係改善どころではなくなるからだ。


 台湾の政治大学が7月3日に発表した世論調査によると、自分を「台湾人」と考える者は67・0%(「台湾人でもあり中国人でもある」は27・5%)だが、「中国人」と考える者は2・4%と過去最低。また「台湾独立」支持は35・1%だが、「中国統一」は5・8%でやはり過去最低。そして「民進党」支持は36・8%だが、「国民党」支持は15・8%でこれもまた過去最低。


このように「台湾本土化=脱中国化」の流れは、中国覇権主義の脅威拡大に伴い強まる一方なのである。一部の中国系を除けば、台湾政府を「全中国を代表する唯一合法の中央政府」にしたいとは思っていないのだ。そのようなことは不可能であるからだけでない。ほとんどの人は中国と一緒になどなりたくないのである。


そこで国民党もそうした情勢を受け、最近では「一つの中国」の看板の下での対中宥和路線の見直しを模索し始めている。つまり台湾の主権や安全を最優先とする路線への変更で有権者を繋ぎ止め、低迷する党勢を挽回しようと必死なのだ。


こうした状況を見るだけでも、今後起こり得る中国と台湾との戦争は「中国政権の正統性を争う」ものではなく、台湾にとっては中国の侵攻に対する防衛戦争となることだろう。中国はそれを国共内戦の延長と位置付けることになるが、しかしそれは決して他国の干渉が許されない内戦などではなく、中国の領土拡張欲に満ちた不法なる侵略戦争となる訳だから、国際社会はそうした認識をしっかりと固め、一丸となってその防止に努めなければならない。


もちろん台湾とは一蓮托生である日本もだ。蒋介石時代の台湾のイメージがいまだ根強く残っている日本だが、まずは国共両党が展開してきた「一つの中国」の宣伝の影響を完全に払拭しなければならない。


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