中国軍の東部戦区報道官は13日、台湾海峡で最近、実戦演習を実施したと発表した。米国を念頭に「個別の大国が最近、台湾海峡の安定と平和を著しく脅かしている」と批判。「一切の挑発行為に断固として反撃する」とした。米国のアザー厚生長官が9～12日に台湾を訪問したことに対抗する動きとみられる。
　発表によると、各部隊が台湾海峡やその南北両端の複数方向から連続的に演習を展開し、「複数軍種の統合作戦能力の向上を検証した」。台湾上陸や米軍の接近阻止などを想定した陸海空、ロケット軍による総合的な演習とみられる。
　アザー氏の訪台は、1979年に米国が台湾と断交して以降で「最高位」の高官訪問とされ、中国は激しく反発していた。台湾国防部によると、10日にも、複数の中国軍機が台湾海峡上空の中間線を越えて台湾側に相次いで侵入した。
　台湾周辺では、米中両軍が艦船や航空機の活動を重ね、非難の応酬をしている。東部戦区報道官は13日の発表文で「台湾は中国の神聖不可分の一部分であり、戦区部隊が組織する活動は国家の主権を守るための必要な行動だ」と、自国の行動を正当化した。【北京・河津啓介】

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