Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

第2波は来たか

From 小浜逸郎
  @評論家/国士舘大学客員教授




しつこくしつこくコロナ話題です。


巷では、第2波が来たとか、第2波の最中とか騒がれていますが、本当に第2波は来たのか。
確実に来ました。
おっと申し訳ない。これは疫病・新型コロナ(covid-19)の流行の話ではありませんでした。日本経済の落ち込みの話です。
言うまでもなく第1波は、昨年10月1日の消費増税によるGDPが、年率換算で▲7.1%を記録した時点、そして第2波は、8月17日発表の4月~6月のGDPが年率換算で▲27.8%を記録した時点です。
予想された結果でした。7月~9月はさらに落ち込みが予想されます。コロナ禍が続いているという不安が国民からなくならない限りは。
そして、狂気の殺人集団・財務省に牛耳られた今のだらしない政府では、この経済の落ち込みから回復することはできないでしょう。もちろんどんな野党勢力でも無理です。およそ右から左まで、間違った経済観から抜け出せていないのですから。


すみません。ちゃんと疫病コロナの第2波が来たのかどうかに話を戻しましょう。
使う資料は例によって以下の通り。
●東洋経済ON LINE 新型コロナウイルス 国内感染の状況
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/?fbclid=IwAR2S54N_qvGv4pvErqYep9pud9caVBH44VsTj9dv0q5nXk8iq4ZnOyHd6xw


●都内の最新感染動向
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/


初めに、全国版。
PCR検査による陽性者数、検査数、死亡者数、実効再生産数(一人が何人にうつすか)はそれぞれ次のようになっています。
まず当たり前ですが、陽性者数は、検査数によって変わります。検査を増やせば、当然、陽性者の絶対数は増えます。つまり陽性者の絶対数が増えていることだけを発表して、検査数との割合を知らせなければ、その発表はインチキということになります。後述しますが、この間、マスコミは一貫してこのインチキ報道を自ら疑うこともせずに垂れ流し、国民を終わることなき不安に陥れてきました。


そこでインチキ報道から逃れるために、第1波の時のピーク時、8月のピーク時、最新データ、における陽性者数/検査数をそれぞれ見てみましょう。
A(ピーク時4/10)陽性者数 708
B(ピーク時4/10)PCR検査数 5,389
A /B=13.1%
C(8月ピーク時8/7)陽性者数 1,595
D(8月ピーク時8/7)PCR検査数 22,698
C/D=7.8%
E(最新データ8/18)陽性者数 904
F(最新データ8/18)PCR検査数 21,130
E/F=4.3%
以上でわかることは、陽性者数/検査数が、第1波の時に比べて激減しているということです。


次に、死亡者数を、ピーク時前後の2週間と直近8月5日~8月18日の2週間で比べてみましょう。
(ピーク時5/8前後の2週間) 278名
(8/5~8/18) 106名
ここ数日、たしかに死亡者がやや増える傾向にありますが、それでも、ピーク時の38%です。
ちなみに、8月に入ってからの熱中症による死者は東京23区だけで103人に上っています。多くは屋内での死者です。
https://www.youtube.com/watch?v=_338Kwc2Zao
コロナを恐れて籠っている老人が冷房をかけずに亡くなってしまったとしたら、シャレにならない話です。おそらく孤独で貧困な境遇の人が多いのでしょう。エアコンがないか、あっても電気代をケチってかけなかったのではないでしょうか。熱中症死者もまた、社会問題、政治問題である可能性が大きい。


実効再生産数は、4月3日がピークで、2.27、8月16日時点では、0.86と激減しています。あっという間に感染が広がるこの疫病の性質からして、感染はほぼいきわたったと考えられますから、想定外の変異が起こらない限り、今後もゆるやかに下がり続けるでしょう。
また、年代別の死亡者の割合は、8月12日時点で80代以上が55%、70代以上が82%を占めます。


では次に東京版。
東京では、陽性者数/検査人数は、ピーク時が4月17日で、206名/329名で、62.6%、8月の陽性者数のピークが8月1日で、472名ですが、検査人数が3539名ですから、13.3%という少なさです。
死亡者数は、ピーク時が5月2日、その前後9日間(4/24~5/11)で102名、8月に入ってから18日までの18日間で9名です。10分の1以下ですね。
連日記者会見を行って今日は「感染者」が200名だの300名だのと、ナントカの一つ覚えのように危機を煽ってきたKY知事は、自分のおひざ元で発表されているこういうたしかな数字情報を1度でも確認したことがあるのか。いや、KY知事はまさにKY(空気を読む)にかけては天才的なお方です。ですから、そんな数字の検証などは無視して、「大事なのは雰囲気づくりよ」と言わんばかりに、「感染者数」だけを発表して、都民や国民をあおり続けているわけなのでしょう。


また実効再生産数は、ピーク時が3.62、最新情報8月16日時点で0.87です。陽性率の東京都データでは、ピーク時が4月11日で31.7%、まあこれは検査人数が極端に少ない頃のものなので、あまり一般化できません。緊急事態宣言解除後は1%代から2%代で推移し、6月下旬から7月にかけてやや上昇しましたが、その後8月13日までずっと6%台、最近では5%台にまで下がっています。陽性率が先に示した陽性者数/検査人数に比べて低いのは、あるピークの日だけでなく、7日間平均値を採っているからでしょう。そして、こちらの方が実態に近いと言えます。
全国版では、検査人数の累計が8月18日時点で1,097,033名、陽性者数の累計が57,366名と出ていますから、陽性率5.2%となり、この間の東京の陽性率とほぼ見合っていると言えるでしょう。


以上、統計的に推定できることをできるだけ正確に記載してきました。これだけでも、コロナの第2波が来ているという俗説は、すこぶる疑わしいことがお分かりいただけると思います。
日本人にとって、コロナはもともと大騒ぎするような話ではなかったのです。


ところで、これまで根拠としてきた統計的前提を覆すような印象を持たれるかもしれませんが、じつはPCR検査というのは、その結果にあまり信用が置けません。理由はいろいろあります。
一つは、この検査の陽性反応はウイルスが体内で曝露したことだけを示すもので、疫病に「感染」したことを示すものではありません。だから陽性反応者の中にあれほど無症状の人が多いのです。そこで、陽性反応が何名出たからと言って、それを「感染者」とするのは間違いです。マスコミは「感染者何名、感染者何名」と騒ぎ立ててきましたが、正しくは「陽性者」と呼ぶべきです。マスコミはそのへんの配慮がまったく足りず、もちろんKY氏もその配慮不足を存分に悪用してきました。
実は筆者自身もメルマガや自身のブログでこの二つを混同して使ったことがあるので、これを機会に訂正してお詫び申し上げます。
もう一つは、PCR検査は、何も新型コロナウイルスにだけ反応を示すのではなく、旧型コロナによるふつうの風邪、A型、B型インフルエンザ、アデノウイルス、クラミジア、マイコプラズマなどにも反応を示すそうです。そうだとすると、陽性者の中には、新型コロナに反応したのではない人もたくさん含まれる可能性があります。きわめてあり得る想定ですね。ますます陽性者=感染者と決めつけるマスコミは、大罪を犯していることになります。
さらに、PCR検査の精度の問題ですが、これはよく知られているように、100%精確とは言えません。ある時陽性だった人が、次の検査で陰性になったり、逆もあります。これは検査キットや検査方法の精度、その時々のウイルスと体細胞との関わりの仕方、などによるものでしょう。
何ごとであれ、医療技術や科学技術を盲信するのは避けたいものです。


さらに言えば、死因確定にも曖昧さが残ります。死因は医師の診断書によるわけですが、コロナ死亡者とされている人たちは、高齢で基礎疾患の持ち主が多いため、それが悪化して死んだ可能性もあります。志村けんさんの場合などは、もともと仕事や野放図な遊興のために相当体が弱っていたので、必ずしも死因をコロナと特定できない可能性が残ります。これは死因が普通の肺炎とされている場合でも言えることです。
また、厚労省が、コロナ陽性者が亡くなった場合には、死因をコロナとせよという通達を出したという情報もあります。これが事実とすれば、厚労省は流行の事態を重く見過ぎたために、結果的に不安を誘発する情報操作を行ったことになります。あるいは、もし意図的にそういうことをしたのだとすれば、許し難い欺瞞です。
もっと広げて言えば、死因の特定に限らず、検査で陽性とされた人が発熱しているからといって、それがコロナによるものとは断定できないわけです。


次に、マスクの問題ですが、日本人のほとんど全員がたちまちマスクを着用するようになった光景は、まことに不気味なものがあります。マスクは厚労省自身も言っているように、感染者が咳やくしゃみなどによる飛沫を飛ばさないためには有効ですが、健康者がマスクをしても予防効果はありません。
この暑いさなかに、夏休みを早く終わらせて学校に通うようになった子どもたちがマスクをしているのを見ると、何とも無意味でかわいそうに思えてなりません。統計によれば19歳以下で陽性を示したのは、検査人数全体の6%未満に過ぎませんし、軽症者も重症者も死者ももちろんゼロです。子どもの陽性者は、新型コロナによるものではない可能性が大です。
このマスクについては、漫画家の小林よしのり氏が面白い指摘をしています。
https://www.youtube.com/watch?v=lizHEl0ZKQs
コロナウイルスの大きさは、0.1㎛しかないのに、家庭用マスクの網目は10㎛から100㎛なので、大量に網目を通り抜けてしまうというのです。これもマスクすることの無意味を表しています。
また、スウェーデン在住の医師・宮川絢子氏は、スウェーデンでは医師さえマスクをしていないのに、はるかに死者の少ない日本ではなんでマスクをするのか、窮屈でかわいそうだと述べています。
https://www.youtube.com/watch?v=2VAQGJCvKVo&pp=wgIECgIIAQ%3D%3D&feature=push-fr&attr_tag=KyEH2RjgJHsEZMQr%3A6&fbclid=IwAR2DhudaVYn4KSpZtEOSUPLNOD1CB1EookBFHhY6ISwKV66dRXzavHU8u9Q


猫も杓子もマスクをしてソーシャル・ディスタンスとやらを取る、この日本人の強迫神経症的な反応を筆者は少し前の拙稿で全体主義と呼びました。
https://blog.goo.ne.jp/kohamaitsuo/e/0dc6465388521731c8286a8d4ad8eb1f
特にコンサートやスポーツ大会などのイベントで、相次ぐ中止をしたり、観客を半分しか入れないとかいった措置は、経済の毀損だけでなく、文化破壊につながるので、ちょっと許しがたいところがあります。ソーシャル・ディスタンスをとるとか、三密を避けるなどをしても、それ自体は何の意味もありません。なぜなら、新型コロナの感染は、飛沫による感染なので、お互い黙っていれば距離を詰めたところでうつるはずがないからです。レストランで複数で食事をしている人を見ていると、ふだんマスクをしていても外さざるを得ませんから、食べながら近距離でおしゃべりをしまくっています。あれあれ、ヤバいんじゃないの? だったら道を黙って歩いている時に何のためにマスクをしているのかな。


この全体主義的空気、どうも嫌だと思っていたら、案の定、自粛警察、マスク警察、東京から実家に帰った人に村八分的な貼り紙をするなどの、最もしてはならない賤しい傾向が出てきました。戦中に、少しでも戦争反対の意思をほのめかすと、一部の国民が自ら進んで「非国民」呼ばわりして袋叩きにしたのと同じです。人間の品性なんて状況次第でいくらでも下劣になる。昔から変わらないものです。


それにつけても驚いたのが、次のようなNHK意識調査の結果です。この調査は、8月8日から3日間、電話で行われ2163人の回答を得たものです。
https://note.com/shinsakuitou4708/n/n1794f24e2c97
《新型コロナウイルスへの感染が新たに確認された人が、全国で1000人を超える日が相次いでいます。国が再び緊急事態宣言を出すべきだと思うかどうか聞いたところ、「出すべきだ」が57%、「出す必要はない」が28%でした。》
「感染者1000人を超える日が相次いでいる」という前提からして、ひどい印象操作を行っています。これが間違いと情報不足に満ちていることは、これまでの記述で明らかでしょう。NHK自身が事態をまったく誤解しているわけですが、それにそっくり誘導されている回答者もまた、どうしようもありません。何と6割近くが緊急事態宣言の復活に同意しているのです。あれほど経済的ダメージをもたらした自粛要請が復活したら、日本経済は終わりだということに気づこうともしない。大衆とはそんなものさと切り捨てるのは簡単ですが、自粛によってひどいダメージを受けたのが外食産業や観光業だけでなくあらゆる関連産業に及んでいることをつい先ごろ痛感させられたはずなのに、それと結びつけることすら思い及ばない思考停止状態と健忘症。
先ほどの宮川医師も、「いのち、いのちというけれど、経済もいのちです」と静かに述べていました。その通りです。こうして抽象的な「いのち絶対主義」イデオロギーは、自分たちの暮らしをどうしていくかという、誰にとっても切実な具体性のある課題について考えることも蝕んでしまうのです。恐ろしいことです。


いま世界では、欧米先進国が終息状態にあり、南米や南アフリカ、オーストラリアなど南半球の国々(冬であることが関係しているでしょう)やインド、サウジアラビアなど発展途上国で死者が増えつつあります。
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/death.html
世界的にはこの先、どうなるかわからない部分を残していますが、日本では、奇跡と言われるほど死者が少ないですね。これはなぜなのかという問いには諸説がありますが、最近、日本はすでに集団免疫が獲得できているという京都大学大学院特別教授・上久保靖彦死の説が注目を集めています。
https://www.youtube.com/watch?v=ajWWHBem-r0&fbclid=IwAR2dOCBCY1Wxh_0FL24zS4W1aBaY8birz8cYao-NGR6eHfzCoTDWXmpLh7E
これについて、筆者は是非を判断する資格がありませんが、なかなか説得力があります。
いずれにしても、少なくとも日本では、コロナ禍は、大したことのない流行病を過大視して、そのために国民ぐるみ自殺行為に走った愚劣な人災です。おそらく1年後か2年後には、私たち日本人は、きちんとした総括もなされないままに、「あれはいったい何だったのか」という記憶喪失現象の中に置かれるでしょう。ますます没落してゆく経済的・文化的環境に抗うこともできずに。