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安倍総理の志は死なない!!

中国、欧州に外交攻勢=関係強化で米に対抗―王外相が5カ国歴訪

 【北京時事】中国の王毅外相は25日~9月1日の日程でフランスなど欧州5カ国を公式訪問している。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大以降としては初の外遊で、中国にとって最大規模の貿易相手先である欧州を重視する姿勢を明確にした。「国交樹立以来最も深刻な挑戦」(王氏)を多方面で仕掛け、中国の対欧州関係強化に立ちふさがる米国をけん制する狙いもある。
 王氏はイタリア、オランダ、ノルウェー、フランス、ドイツの順に各国を訪問。中国外務省によると、王氏は28日にマクロン仏大統領とパリで会談し「中国と欧州は協力パートナーであり、競争相手ではない」と訴えた。中国を「戦略的競合国」と位置付ける米国を念頭に置いた発言だ。
 ポンペオ米国務長官も7、8月に欧州各国を歴訪。対中批判を展開し、次世代通信規格「5G」網整備から中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)を排除するよう呼び掛けた。共産党機関紙・人民日報系の環球時報は社説で、今回の5カ国訪問について「ポンペオが欧州でまいた毒を王毅が消毒する」意味があると解説した。
 欧州では新型コロナの感染拡大で「反中世論がこれまで以上に高まった」(外交関係者)とされ、中国にとって関係改善は急務だ。しかし独仏は中国の香港国家安全維持法に反対し、香港との犯罪人引き渡し条約の停止を発表。ロイター通信によると、マクロン大統領は王氏に、香港の現状や新疆ウイグル自治区の人権問題に「強い懸念」を表明し、中国との溝を浮き彫りにした。
 ノルウェーのノーベル賞委員会は2010年、中国の獄中の民主派作家、劉暁波氏(17年死去)に平和賞を授与。中国が反発して両国関係は悪化した。オスロからの報道では、王氏は27日の記者会見で香港民主派がノーベル賞を受賞した場合の対応を聞かれ、「ノーベル平和賞の政治化を見たくない」とくぎを刺した。
 一方、28日の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は、習近平国家主席と欧州首脳の9月のオンライン会談の準備に向け、王外相より高位の中国外交統括役、楊潔※(※竹カンムリに褫のツクリ)共産党政治局員が近くギリシャやスペインを訪問する見通しだと伝えた。両国は中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」の海上輸送ルートに位置する。中国の外交高官が立て続けに欧州を訪問すれば異例で、中国の欧州シフトが一層鮮明になりそうだ。