ネコウヨの散歩

ネコと憂国

消費税には景気安定機能がない

 「ビルト・イン・スタビライザー(Built-in-Stabilizer)」を「景気安定機能」と訳しました。


 ビルト・イン・スタビラーザーとは、直訳すると「組み込んである安定装置」となります。所得税には景気を安定化させる機能がありますが、消費税にはそれがありません。なぜなら、景気が冷え込んだとき、所得が減少しますが、消費を減少させるには限度があるからです。
たとえば、所得が500万円から400万円に減少したとします。所得税の場合、仮に税率が20%とすると、税額も100万円から80万円へと自動的に「減税」されます。所得が100万円減っても、税金も20万円減りますので、使えるお金の減少幅も80万円にとどまることになり、景気の落ち込みを緩和することができます。
これに対して、消費税の場合、消費は大きくは減らせないので、使えるお金は100万円が丸々減ることになり、景気をさらに冷やします。税率引き上げも、引き上げた分が丸々家計の損失となるので、家計は支出を減らして景気は落ち込みます。景気が落ち込むと所得向上は望めないので、家計はさらに支出を減らします。
また、失業中の人は所得がゼロなので、所得税もゼロとなります。これを原資に求職活動を行うことができます。これに対して、消費税は職があろうがなかろうが、生きている以上は納税しなければなりません。
こうして経済の縮小は止まることなく、消費が減少すれば税収も減る一方なので、財政均衡も実現ができなくなります。むしろ、景気回復のために公共事業などのテコ入れ策が必要となるでしょう。
 ところが、公共事業を実現するに当たっては、次のような三つのラグ(遅れ)があるため、適切な時期に適切な事業を行えるか疑問です。すなわち、政府が、景気悪化を認識するまでの時間(認知のラグ)、政策決定までの時間(決定のラグ)、政策実行までの時間(実行のラグ)があります。この遅れの間に景気がさらに悪化してしまいます。
 以上により、消費税率の引き上げには反対いたします!


なお、「ビルト・イン・スタビライザー」の定義については、麻生外務大臣(当時)著「自由と繁栄の弧」を参考にしています。