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武漢市、コロナ患者遺族の訴訟を門前払い

© Hector RETAMAL / AFP 新型コロナウイルス感染症で亡くなった息子の写真を掲げる中国・武漢市在住の鍾漢能さん(2020年9月6日撮影)。
【AFP=時事】新型コロナウイルス流行の中心地となった中国・武漢(Wuhan)の年金生活者、鍾漢能(Zhong Hanneng)さん(67)は2月、息子を失うという母親にとって最悪の悪夢に直面し、同じく新型ウイルスの犠牲となった人々の遺族と共に同市当局を訴え、責任を追及しようとした。だが、遺族らの起こした訴訟はむげに却下された。
 武漢市では他にも数十人の遺族が訴訟を起こさないよう当局から圧力を受け、弁護士らはそうした訴訟を支援しないよう警告されているという。
 遺族らは武漢市と湖北(Hubei)省が、新型コロナウイルス感染症の集団感染が発生した昨年末の段階でそれを隠蔽(いんぺい)して市民への警告を怠り、対応に失敗した結果、制御不可能な流行を招いたと非難している。
「当局は感染症の流行は自然災害だという。だが、この深刻な結果は人間が作り出したものであり、誰に責任があるのか追及しなければならない」と鍾さんは語る。「私の家族は打ちひしがれている。二度とこういうことがあってはならない」
 年老いた父親を新型コロナウイルス感染症で亡くし、犠牲者遺族の声を代表して発言するようになった張海(Zhang Hai)さんによると、武漢中級人民法院(裁判所)には少なくとも5件の訴訟が起こされており、それぞれの遺族は約200万元(約3100万円)の損害賠償と公式な謝罪を求めている。
 だが、中国当局に隠れて遺族らに助言を行っている弁護士20数人の調整役を担う米国在住の中国人活動家、楊占清(Yang Zhanqing)氏によると、裁判所は手続き上の理由とだけ言って、詳しい説明なくこれらの訴訟を却下しているという。しかも文書記録を残したくないという意図なのか、法律上必要とされている書面もなく、電話一本での通告だという。AFPの取材に対し、武漢の裁判所関係者はコメントを拒否した。
【翻訳編集】AFPBB News