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中国の教科書が聖書の一節を書き換え    キリストが石で女性を殺した内容に

中国の倫理の教科書が聖書の一節を歪曲し、イエス・キリストが自分は「罪人」だと話して女性を石で打ち殺した結末に書き換えた。


無神論を唱える中国共産党は、国内の宗教を統制し抑圧するため、長期に渡ってさまざまな政策を打ち出しており、今回の歪曲もその一環である。歪曲はキリスト教徒の間で怒りを招き、多くの人々がバチカンに対して、中国政府とのパートナーシップを再考するよう求めている。


問題となった教科書は「職業倫理と法」と題され、中国各地の職業訓練学校で使用されている。米国を拠点とするキリスト教支援団体、ChinaAid Associationによると、教科書は2018年に中国教育省が監督する編集検討委員会によって承認された。


新約聖書の「姦通の女」という有名な話を引用しているが、それを忠実に引用せず、結末を書き換え、キリストを殺人者とした。



「ヨハネによる福音書」 の一節の元々の内容はこうなっている。キリストが教えを説いていた時、男たちが姦通の罪で捕まった女を連れてやって来た。彼らはキリストに、モーセの律法に定められたとおり、石打ちにするべきかどうか尋ねた。最初は彼らを無視していたが、やがてキリストは、罪のない人が最初の石を投げるべきだと言った。すると、罪のない人などいないことに気付いた男たちは、その場を去って行った。しばらくしてキリストは女の方を向いて、彼女を罰する者がいたか尋ね、彼女はいなかったと答えた。するとキリストは、「私もあなたを罰しない。お帰りなさい。今後はもう罪を犯さないように」と言った。


しかし、教科書は結末を変え、このように書いている。「皆が去ると、キリストは『私も罪人です。しかし、もし法律が汚点のない人によってのみ施行されるのなら、その法律は死んでしまうでしょう』と言い、自ら女を石で打ち殺した」


その下の質問欄には、「この短編を通して、法律をどのように見ますか?」と書かれている。


このことが明るみに出たのは、9月初め、ある教区民がこの文章の画像をSNSに投稿したことがきっかけだ。香港のカトリック系報道機関、UCAニュースによると、ある専門学校のキリスト教徒の教師が後に事実を裏付けたが、教科書の内容は中国各地で異なると付け加えたという。


ネットユーザーたちは激しく怒り、多くがこの変更された一節は「 冒涜的」だと非難した。SNS上には、「中国共産党は悪魔だ」「聖霊に対する冒涜の罪は許されない」「これが悪魔でないなら何なんだ?!」などのコメントが寄せられた。


ChinaAidはこの「悪意のある歪曲」を非難し、「キリスト教におけるイエス・キリストのイメージをひどく歪め、汚した」とした。


同団体は、歪曲は党の統治哲学に役立つ考えを強調するためだと主張した。


ChinaAidは声明で、「中国共産党の教科書は、罪のない人だけが法を執行できるのなら、法は無力になると暗示している」と述べた。「これは、中国の司法当局者の法執行における違法行為は避けられないため、許容されるべきだと示唆している」


ChinaAidは、中国共産党は何年もの間、「聖書の教義と神学を再解釈し、習近平が唱える社会主義の価値観に合わせようとしている」と述べた。


中国共産党は、地下教会のキリスト教徒や他の宗教団体への厳しい弾圧を指揮し、教会を取り壊し、教会のメンバーや指導者を拘束してきた。


中国の宗教の自由に関する問題を報道するオンライン雑誌、ビター・ウィンター(Bitter Winter)によると、中国当局は2019年9月、中国東部の江西省のカトリック教会で、聖母マリアとその子どもの像を、習近平の写真に差し替えるよう強制した。また、入り口に中国国旗を掲揚し、教会名の代わりに、「党についていき、党に感謝し、党に従おう」という横断幕を掲げるよう命じた。


また、多くの人がバチカンに対し、中国政府との関係を見直すよう求めている。2018年9月、ローマ教皇庁は中国共産党と、中国の司教の任命に関する歴史的な協定に調印した。それまでの中国のカトリック教徒は、バチカンに忠誠を誓う非公式の地下教会と、中国政府が任命した司教が率いる国家公認のカトリック教会とに分かれていた。協定を結んだあと、ローマのフランシスコ教皇は、バチカンの承認なしに中国政府が任命した7人の司教を直ちに承認した。


協定の具体的な内容は公開されなかったが、協定は海外のカトリックと人権擁護団体から激しい批判を受けた。彼らは中国共産党の地下キリスト教徒への組織的な迫害について触れ、協定を結んだことは中国共産党への「降伏」だと非難した。


ロイター通信がバチカンの消息筋の話として伝えたところによると、両者は近く期間満了となる協定を更新する見通しだという。


マイク・ポンペオ米国務長官は最近、バチカンに対し、中国共産党の深刻化する人権侵害に対してより強い姿勢を取るよう求めた。


ポンペオ国務長官は9月18日、米国の宗教雑誌「First Thing」に掲載された記事の中で、「中国とバチカンが結んだ協定が、カトリック教徒を中国共産党の略奪から守れていないことは明らかだ。キリスト教徒、チベット仏教徒、法輪功修煉者、そして他の宗教信奉者に対する恐ろしい待遇については言うまでもないが」と書いた。


ポンペオ氏はツイッターで、「協定を更新すれば、バチカンは道徳的権威を危険にさらすことになる」と付け加えた。


ポンペオ氏は今月末にローマを訪れ、フランシスコ教皇と会うことになっている。


(大紀元日本ウェブ編集部)