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安倍総理の志は死なない!!

「親台湾派」岸防衛相の論文、専門家はどう見た? 識者「中国封じ込めへ日米台での安全保障の枠組みを」

 岸信夫防衛相が、月刊誌「正論」1月号増刊「台湾危機」に寄せた論文が話題になっている。安倍晋三前首相の実弟であり、政界有数の「親台湾派」で知られる岸氏が、日本と台湾の外交・安全保障も含めた連携強化について、大胆に吐露しているのだ。「安倍路線を継承する」という菅義偉政権の外交戦略にも影響するのか。
 「日本と台湾の関係はこれからもさらに深くなっていく」「台湾は地理的にも近いパートナーとして、良好な関係を今後も維持発展させていくことがきわめて重要」
 岸氏は「日米台の安保対話を」とのタイトルが付いた、7ページにわたる寄稿文の冒頭、こう記していた。「日本・台湾経済文化交流を促進する若手議員の会」の会長と、衆院議員という立場を明記していた。
 注目すべきは、中国が「確信的利益」とする台湾にプレッシャーを向けている現状を受けて、岸氏が「台湾をそのままにしておいていいわけではありません」「日本としては、台湾が活動できる空間をしっかり確保してくことが大切」と明記している点だ。
 具体的には、WHO(世界保健機関)や、ICAO(国際民間航空機関)への台湾加盟に向けた積極的支援を打ち出していた。
 そのうえで、「(日台間で)副大臣クラスの自由な往来くらいはできるようにしたらいい」「今後は日本台湾交流協会に中堅クラスの自衛隊員を派遣することも考えるべきだ」と提案している。
 日本と台湾は、「自由・民主」「人権」「法の支配」という理念を共有する。2011年の東日本大震災で、台湾は日本に200億円もの義援金を贈ってくれた。東アジアで、中国の軍事的覇権拡大が進むなか、日本と台湾は協力していく必要がありそうだ。
 岸氏は、防衛相就任後の記者会見(18日)で、台湾との安全保障協力をめぐる考えを問われ、「1972年の日中共同声明のとおり、台湾とは非政府間の実務的な関係を維持する、との立場に基づき、防衛相として適切に対処したい」と述べるにとどめた。
 改めて、岸氏の寄稿文を読んで、どう思うか。
 自民党の「国防族」である長島昭久衆院議員は「日本も台湾も『通商国家』である以上、安全保障上も不可欠な海洋・航空情報などを共有できる仕組みをつくるなど、台湾とは国交未満のことは全てやるべきだ。まずは、日米台の議会人同士の交流を深め合うのも一案だ」と指摘した。
 評論家の石平氏は「日米同盟をより強固にし、中国の軍拡暴走を封じ込むためにも、台湾を加えた日米台での安全保障協力の枠組みをつくるべきだ。これこそが岸防衛相の使命だ。台湾との関係で、いつまでも日本は中国に配慮する必要はない」と語った。