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安倍総理の志は死なない!!

ウイグル・香港問題 国連で非難の応酬 「中国が脅しと圧力」「幸せ享受している」

 米ニューヨークの国連本部で6日に開かれた国連総会第3委員会(人権)で、ドイツのほか日米英仏など39カ国が「中国新疆ウイグル自治区の人権状況と最近の香港情勢に重大な懸念を抱いている」と非難する共同声明を発表した。中国は強く反発。パキスタンなど55カ国、キューバなど45カ国がそれぞれ逆に中国を擁護する共同声明を発表し、人権問題をめぐって会合は紛糾した。
 英国のアレン国連代理大使は記者団に、中国が「経済協力を巡る脅しも含めて非常に大きな圧力」を複数の国にかけたと明言した。外交筋によると、中国はオーストリアに対し、欧米諸国などの共同声明に賛同すれば北京の大使館の移転先用地を入手させないと報復を示唆した。人権問題で結束を図る欧州の「分断を図ろうとした」(国連外交筋)。しかし、オーストリアは欧米諸国などが提案した共同声明に参加し、署名した国は昨年より16カ国増えた。
 欧州諸国は、国連で影響力を高める中国が「新疆問題やチベット問題、香港にとどまらず、内モンゴル自治区でも同化政策を進めるなど人権をめぐる国際法や規範を骨抜きにしている」(国連外交筋)との懸念を強めている。今年の声明では「懸念」の前に「重大な」を付け加え、批判のトーンを強めた。
 一方、中国の張軍国連大使は、記者団に「英国やドイツ、米国こそ、あらゆる外交手段を使って他国に圧力を加えている。国連という場を悪用して、人権を政治問題化し、対立をあおっている」と反論。「我々は(署名国の)数の多さは競っておらず、主権と領土の保全を守ろうとしている」と述べた。
 ドイツのホイスゲン国連大使が読み上げた欧米諸国などの声明は、中国が新疆の「再教育施設」に少数民族のウイグル族を収容し、厳重な監視下で強制労働や強制避妊手術を行っていると指摘。バチェレ人権高等弁務官ら国連関係者による視察を直ちに無制限で認めることを求めた。また、中国の香港に対する統制を強化する「国家安全維持法」の施行にも懸念を示し、言論や報道、集会の自由を保障するよう求めた。
 一方、キューバなど45カ国の共同声明は「中国は、新疆に暮らす全ての民族の人権を守る法律に従い、テロリズムや過激主義の脅威に対抗してきた」と指摘。「人々は平和で安定した環境の下、幸せな生活を享受している」などと中国を擁護した。【ニューヨーク隅俊之】