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「一帯一路で過剰生産能力解消」、吉林省などの内部資料

中国吉林省などの内部資料は、当局が巨大経済圏構想「一帯一路」を推進する目的の1つは国内産業の過剰生産能力を他国に輸出することであると裏付けた。米国などは、一帯一路政策によって、沿線国が中国の過剰生産能力の受け皿になるほか、債務の罠に陥り、資源が収奪され、安全保障が脅かされると批判してきた。


大紀元は、「一帯一路」構想に関する吉林省政府の政策方針を示す内部文書「吉林省が一帯一路構想に溶け込む」を取得した。文書が作成された日付は不明だが、2015年以降のものとみられる。


同文書は、一帯一路構想について、中国が「世界の指導的な立場に立つことに大きな戦略的意義がある」と称賛し、中国の産業構造転換の主要任務の1つは「一帯一路構想を通じて過剰生産能力を解決することである」と示した。



吉林省政府内部資料「吉林省が一帯一路構想に溶け込む」の一部内容(大紀元)
また、一帯一路戦略の下で「わが省は、新たな消費市場を開拓し、過剰生産能力を消化し、経済構造を調整して、産業転換を推し進めることで、製品のモデルチェンジを加速していく」とした。特に、同省の自動車メーカー、中国第一汽車集団(一汽集団)とその関連部品メーカーにとって、一帯一路構想は新しい市場を得る「貴重な機会」であるとした。


中国大手証券会社、国信証券が発表した2019年中国自動車産業研究報告によれば、2018年において、中国主要自動車メーカーの一汽集団、吉利汽車、奇瑞汽車、比亜迪汽車(BYD)などの生産能力利用率(設備稼働率)は70%に達していなかった。


また、中国汽車工業協会の統計では、自動車販売台数の減少と過剰生産で、中国乗用車産業の生産能力利用率は、2017年の66.55%から2019年の53.74%まで低下し、過剰生産能力が深刻化した。


吉林省政府は、この背景の下で、一帯一路構想に積極的に参与する姿勢を示した。


同省政府が2016年に作成した内部文書、「設備製造および生産能力分野における国際協力プロジェクト・バンク」では、パキスタンにある一汽集団の合弁工場での「軽自動車、トラック、乗用車のローカライズプロジェクト」を紹介した。このプロジェクトは、一汽集団はすでにパキスタンで「軽自動車3000台、中型および大型トラック1000台の生産能力を形成した。乗用車5000台の生産能力を計画している」。


すでに公開された情報によると、パキスタンにある一汽集団の合弁会社は、車両組立工場である。中国国内で製造された自動車部品を使って、同工場で車両の組立てを行う。


吉林省トップが一汽集団の過剰生産能力の輸出について、外国政府の高官に打診したことがある。大紀元が入手した吉林省の2016年「わが国の関華兵・駐ラオス大使との談話参考」によれば、同年3月2日、国家発展改革委員会と吉林省政府は、ラオスでの設備製造や生産能力に協力することで合意した。合意は、吉林省政府が中心にラオスでの設備製造などを行っていくとした。



吉林省の2016年の「わが国の関華兵・駐ラオス大使との談話参考」の一部内容(大紀元)
吉林省トップの巴音朝魯(バヤンチョル)党委員会書記は、2016年11月にラオスを、18年にはミャンマーをそれぞれ訪問し際、両国の政府に一汽集団など地元企業を売り込んだ。


2016年の内部文書、「設備製造および生産能力分野における国際協力プロジェクト・バンク」は、同年まで、吉林省政府には生産能力を輸出できる国際協力プロジェクト216件があった。総額282億ドル(約2兆9685億円)。協力先の国は主に一帯一路の沿線国だという。


一方、安徽省滁州市政府の2019年2月27日付「生産能力および設備製造分野に関する国際協力2018年活動報告と2019年活動要点の報告」も、同省政府と滁州市政府が、「余った生産能力」を解消するために一帯一路戦略に積極的に参加していると示した。


習近平国家主席は2013年9月、初めて国際社会に向けて一帯一路構想を発表した。15年5月、中国国務院(内閣に相当)は「生産能力・設備製造分野における国際協力の推進に関する指導意見」を公表し、地方政府に対して、地元企業が生産能力における国際協力に参与するよう推進していくことを要求した。


(記者・何堅、翻訳編集・張哲)