ネコウヨの散歩

ネコと憂国

声なき声に耳を傾けよう-看護師業界の場合

 From 室伏謙一
  @政策コンサルタント
   /室伏政策研究室代表


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 先日、第22回日本救急看護学会(動画を収録し後日配信)で移民問題について講演してきました。看護学会で移民問題?と思われた方も多いかと思いますが、看護の現場の移民問題には、移民看護師と移民への医療という二つの側面があります。


 前者については、EPAにより移民看護師の受入が、移民法施行以前から実施されてきました。人手不足が当然の前提のように言われ、受入が進められてきたわけですが、ご承知のとおり、看護師人材の不足の原因は、労働が不規則かつキツイ労働環境に対して、賃金が安いこと、突き詰めればこれに対して十分な国財政支出が行われていないことです。


 こうした状況を踏まえれば、看護師を、勤務先の如何に関わらず公務員化すべきといった考え方や、国立、公立、私立が混在している状況を踏まえると、公務員化は難しくとも看護師の給与の底上げを図るべく、各施設による給与に加えて、看護師の基礎的な給与を国の財政支出によって保障するという考え方があって然るべきでしょう。


 要は緊縮財政を止めて必要なところにお金をつけろという話なのですが、仮に緊縮財政から積極財政に転換が図られたとしても、対象となる分野の実態が分からなければ、具体的な金額以前に必要性も分からないということになって、ずっと放置された状態になりかねませんね。


 つまり、積極財政に転換させるには、具体的な分野の具体的な実態を踏まえた要望が重要であり、その積み重ねが必要であるということです。


 さて、では看護師分野ではどうなのかと言えば、勿論先も述べた給与問題もありますが、今回の講演では引き続き看護学部の研究者の方々との討論があり、その際に伺った話に基づけば、それと別次元の問題は、次のとおりです。


・外国人看護師との協働を国から丸投げされているのでやらざるを得ない。
・正直なところしんどい。
・日本人看護師と移民看護師の共存は無理かもしれない。
・本音ではEPAには反対だったが、国に受入を決められてしまったのでなんとかしければいけない。
・移民看護師の日本語水準が担保されていない。


 短絡的思考の設計主義の犠牲者と言ってもいいでしょうね。しかし、現場の声や懸念・不安の声を集約して、必死に抵抗していれば、反対していれば、もしかしたら押し戻せたかもしれません。もっとも、先ほど述べたような労働環境では、そんな余裕もなかったのかもしれません。


 であれば、本来なら、政府の側から現場の声を、声なき声を拾いにいかなければならなかったはずですが、設計主義の結論ありき思考では、そうした声は不都合な真実になりかねないので、なかったものとされてしまうのでしょう。


 しかし、設計主義による丸投げを唯々諾々と、仕方なく受け入れていればいいかというと、それでは現場は疲弊するばかり。そこで、今回の同学会で講演をしたことがきっかけで現場の声なき声を知ることになった私としては、まずは問題意識の高い読者の皆様に、是非知っておいていただきたいと思い、今回のメルマガに記載した次第。


 これに移民への医療という問題が加わってくるわけですから、看護の現場は今後ますます過酷なものとなっていくかもしれません。そうなる前に、是非この事実の拡散にご協力をお願いします。


 同時に、パネリストとして参加していたある看護師の方は、(日本には)お金がないので国民皆保険は続けられない、これまで当たり前の社会保障は続かないと、しきりに強調していました。完全な緊縮思考、財務省の財政健全化プロパガンダに完全に騙されてしまっていますね。しかし、緊縮財政で現場で使えるお金が減る、必要な物資が購入出来ない、そんな現実に日々接していれば、相当程度諦めも入って、そんな思考になってしまうのも仕方がないのかもしれません。


 そんな考え方をしなくてもいいように、繰り返しますが、是非こうした事実の拡散をお願いします。


 それともう一つ、大阪都構想もとい「大阪市廃止・特別区設置構想」についての賛成派と反対派による討論会があり、そのコーディネータをしてきました。私はもちろん反対派ですが、今回はコーディネーターということであくまでも中立の立場でいなければいけなかったので、私としての意見は述べていませんが、メディアでは伝えられてこない論点や大阪の市会議員らの考えなどを聞くことができますので、是非こちらの動画もご覧ください。


https://www.youtube.com/watch?v=TuEc8mK_hhg