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安倍総理の志は死なない!!

習近平氏、米圧力に「反撃能力」 対中依存向上を指示

 【北京=三塚聖平】米国による中国との経済関係のデカップリング(切り離し)や対中制裁強化といった圧力に備え、中国の習近平国家主席が今年4月の共産党の会議で、世界の対中依存度を高めて外国による供給停止への「有力な反撃能力」を整えるよう指示したことが2日までに明らかになった。今月1日発行の党理論誌「求是」が演説内容を掲載した。
 トランプ米政権は今年8月、米国から中国の通信関連の事業を全面的に排除することを目指す政策構想「クリーン・ネットワーク」を発表。通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)などの排除に動く。習指導部としては、11月3日の米大統領選を目前に発言を公表することで、選挙結果にかかわらず米国に対抗しうる態勢を築いていく決意を示す狙いとみられる。
 求是によると、習氏は「国際的な産業チェーンのわが国との依存関係を強め、外国が供給を止めることに対する強力な反撃・抑止能力を作らなければならない」と号令をかけた。この発言を行ったのは、新型コロナウイルスの国内での感染拡大に歯止めがかかったと判断してまだ間もない4月10日だったという。
 また、習氏は「優位な産業の、世界をリードする地位を高め、『切り札』となる技術を磨かなければならない」とし、高速鉄道や電力・通信設備、新エネルギーなどの分野で国際競争力を強化する方針を示した。
 習氏は、サプライチェーン(供給網)を「政治化、武器化することに断固として反対する」とも強調した。トランプ政権が中国企業の排除を各国に呼び掛け、「中国包囲網」の形成を積極的に進めようとしていることを念頭に置いた発言とみられる。
 トランプ政権はハイテク分野で中国との競争に勝ち抜くことを重視しており、中国による知的財産の窃取を強く非難している。大統領選でトランプ大統領と戦うバイデン前副大統領も同様の姿勢で、習体制としてはどちらが勝利しても米中対立が長期化すると想定していると指摘される。
 10月下旬に開かれた党の重要会議、第19期中央委員会第5回総会(5中総会)のコミュニケもイノベーション(技術革新)能力の向上などをうたった。米国に頼らずとも自立できるよう先端技術などに関する産業基盤の底上げや、代替的なサプライチェーンの確保を図る姿勢を強めている。