Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

中欧と中央アジアの民主主義が低下 中国の影響で=調査

中欧と中央アジアの少なくとも20カ国の民主的な制度がますます低下し、権威主義的な指導者の力が強まっている。中国共産党の間接的な操作により「透明性や法の支配が歪み、現地の権威者による略奪的な振る舞いが悪化している」と米国の人権組織フリーダムハウスの報告書が指摘した。


ワシントンに拠点を置くフリーダムハウスは5月6日、中欧、バルカン半島の29カ国の民主的ガバナンスに関する年次報告書「ネーションズ・イン・トランジット(Nations in Transit、移行期の国)2020」を発表した。それによると、中国の外交官は対象国の制度的な弱点を利用し、脅しや収賄を通じて「政治経済の構造の腐敗に密かに浸透していく」という。


特にフリーダムハウスは、中国共産党が監視に力を入れていることを強調した。人民解放軍と強い繋がりのある中国通信大手・華為技術(HUAWEI、ファーウェイ)は、29カ国のうち10カ国の政府と「安全都市協定」を締結して、華為技術の生体認証やAI監視カメラによる監視ネットワークを導入させている。


タジキスタンとウズベキスタンでは公共スペースに華為技術の約1000台のカメラを設置し、セルビアでは顔認証システムを導入し、中国警察官と「対テロ」合同訓練を行っている。


また、29カ国のうち民主主義国であっても、中国の技術が監視部門に組み込まれているため、セキュリティ専門家は、中国によって個人情報が悪用される可能性があると指摘している。


さらに、中国外交官は現地親中派の話題をメディアに押し付けて、地域の関心を党の「好ましい話題」にすり替え、中国に批判的な視点を抑圧している。「中欧・東欧諸国では、中国に異論を掲げる文章が自由に発表できなくなっている」と報告は書いている。


報告はまた、中国共産党が対象国に巨額負債を負わせる、いわゆる「債務トラップ」外交による、地域の影響力拡大についても分析している。報告によれば、対象地域の国々の多くは、海外からの融資の規定が緩く、ほとんど条件なしに融資契約を結んでいる。「その結果、この地域の資本が中国政府の手に渡ることが多くなっている」という。


フリーダムハウスは、タジキスタン、モンテネグロ、北マケドニアがそれぞれ中国に対して債務の41%、39%、20%を負っていると指摘している。2020年4月、外国債務のうち中国が5分の2を占めるキルギスは、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の影響で、債務救済を求めざるを得なくなった。


報告書は、この地域における中国の戦術について、「民主的な第三者による監督を弱め、汚職に染まる権威者が権力の座に長くとどまることを手伝っている」と指摘する。


(翻訳編集・佐渡道世)