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米ハリウッド映画のパクリ? 中国“グアム空爆予告”動画の波紋

【アツいアジアから旬ネタ直送 亜細亜スポーツ】中国の空軍がさる19日、SNS「ウェイボー」の公式アカウントに一本の動画をアップ。これが米領グアムの攻撃を示唆しているのではないかと物議を醸している。
「我々は祖国の空の守護者であり、安全を守るための自信と能力を持っている」と題された2分15秒の動画は、H―6爆撃機が基地を発進する場面から始まる。機体は高度を上げ、やがて搭乗員が発射ボタンを押すと、ミサイルが洋上に浮かぶ島の滑走路に着弾。激しい爆発が起き、島は炎に包まれる。最後は夕暮れの中、帰着したH―6から搭乗員が悠々と降りてくるシーンで終わる。
動画で爆撃される滑走路はグアム島にあるアンダーセン空軍基地の衛星画像とソックリだ。
「島北部のアンダーセン空軍基地は太平洋における米軍の要の一つ。中国も射程圏内の長距離爆撃機を展開していることでも知られる。その爆撃機が駐機する辺りが、問題の動画で標的になっている」とは、さる軍事ジャーナリスト。
そのため「グアム空爆の予告か」と各国メディアは報道。中国と国境紛争を抱えるインドのニュースサイト「ザ・ウイーク」は、この動画にハリウッド戦争映画「ハート・ロッカー」(2008年)と全く同じシーンがあると指摘した。着弾の瞬間、土ぼこりが舞い上がる場面で、確かにソックリ。ただこれは単なるパクリではなく、米国に対する中国の意趣返しという見方が強い。
というのも、米中は今、南シナ海を巡って激しく対立中。周辺国の反対を押し切り、南シナ海の領有化と軍事基地建設を進める中国を、米国は厳しく非難している。対抗するように中国は8月26日、南シナ海に向けて中距離弾道ミサイルの発射実験を行った。
「その中にはDF(東風)26ミサイルも含まれていたと思われる。射程4000キロ、中国本土からアンダーセン基地を叩けることから『グアムキラー』と呼ばれるミサイル」(同ジャーナリスト)
すると米国は、南シナ海の軍事拠点化に関与したとして、中国の国営企業24社に対し、輸出禁止などの制裁を科すと発表。緊張が高まる中、中国空軍がアップしたのがこの動画だった。
「H―6は3年前にもグアム攻撃を想定したとおぼしき訓練を行っている。西太平洋から中国本土にニラミを利かせるグアムは、中国軍にとって目の上のたんこぶ。今回の動画は、いざ開戦となればグアムへの先制攻撃も辞さないという意思の表れだろう」(前同)
香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」は「南シナ海ではすでに両国の艦隊がたびたび演習を繰り返しており、互いに挑発を続ければ偶発的な衝突から全面戦争につながりかねない」と警告。大統領選を控えた米トランプ大統領が中国に対し、さらに強気に出る可能性もある。
☆…むろはし・ひろかず 1974年生まれ。週刊文春記者を経てタイ・バンコクに10年居住。現地日本語情報誌でデスクを務め、2014年に東京へ拠点を移したアジア専門ライター。最新著書は「バンコクドリーム『Gダイアリー』編集部青春記」(イースト・プレス)。