防衛省のシンクタンク、防衛研究所は１３日、中国の軍事動向に関する２０２１年版の年次報告書を公表した。習近平政権は軍と民間企業が一体となる「軍民融合」を通じて軍事力の近代化を進めていると分析。特に重視している分野として(1)サイバー(2)宇宙(3)海洋―を挙げた。
　報告書は、サイバーや宇宙といった新領域での国際ルール形成に際し、巨大化する軍事力を背景に中国の発言力が増大し得ると指摘。日本や欧米諸国と相いれない考え方があり、国際秩序の混乱を招く可能性があるとした。
　日本に関しては、日米同盟の強化だけでなく、独自の防衛態勢の充実が重要だと強調。併せて、中国との戦略対話を通じて安定的な安全保障環境の維持、強化を図ることも求めた。