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中国のウイグル族弾圧 日本の対応、米欧に遅れ

中国のウイグル族弾圧 日本の対応、米欧に遅れ
 中国政府によるウイグル族への人権弾圧の状況改善を目指す自民党の「日本ウイグル国会議員連盟」が18日、約3年ぶりに活動を再開した。新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権侵害には国際社会の批判が高まっているが、政府と国会の動きは鈍い。中国と良好な経済関係を維持したい思惑も透ける。
 「ウイグル自治区の人権弾圧の実態を世界に発信していく」
 ウイグル議連会長を務める古屋圭司元国家公安委員長は18日の会合でこう強調した。議連は今後、在日ウイグル人と連携しながら、ウイグル族の人権保護などを求める国会決議の提出を検討する。
 中国国内ではウイグル族など少数民族への思想教育が深刻さを増している。会合では、在日ウイグル人が、ウイグル自治区にある強制収容所の実態について、帰還者の証言をもとに詳述した。日本ウイグル協会のレテプ・アフメット副会長は「ウイグル人の伝統や文化を守って生活したことは間違いだったという自己批判が、朝から晩まで延々と続く。中国の古典を覚えさせられ、試験ができないと拷問が待ち受けていた」と語った。
 少数民族への迫害はウイグルにとどまらない。内モンゴル自治区では、モンゴル族の子供に9月から中国語(漢語)による教育を強化する取り組みが始まった。チベット自治区では中国当局の監視が強化され、近隣国への亡命者数が激減している。
 こうした手法に対し、米欧諸国は圧力を強めている。米国大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領は、習近平国家主席を「100万人のウイグル人を強制収容所に送り込んだ悪党」と非難。米国は7月、ウイグル族弾圧に関与した中国当局者に制裁を科す「ウイグル人権法」に基づき、ウイグル自治区幹部の資産を凍結した。
 英国のラーブ外相はウイグルの人権状況について「深刻で痛ましい人権侵害の証拠がある」と述べ、2022年北京冬季五輪のボイコットを示唆。フランスのマクロン大統領は9月の国連総会で、ウイグル自治区へ国際調査団の派遣を求めた。
 一方、日本政府はウイグル問題について「人権状況に懸念を持って注視する」(加藤勝信官房長官)との表現にとどめている。菅義偉首相も国連総会の演説で懸念を表明しなかった。今の国会も中国の少数民族迫害を非難する決議を出すことができていない。
 ウイグル議連の関係者は「対中問題になると日本政府は経済という人質を中国に取られ、及び腰になってしまう」と指摘した。
 東大大学院修了後、中国国内でのウイグル族への迫害が激しくなり、日本へ帰化したレテプ氏は産経新聞の取材にこう訴えた。
 「中国当局がウイグル人にナチス・ドイツと同様の迫害を敷いた事実は近い将来、明らかになる。日本の議員は習氏と同じ時代を生きた政治家として後悔しない方法を選んでほしい」