Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

小池都知事と菅首相は、私利私欲でコロナ感染拡大を招いた“亡国コンビ”

「GoToトラベル東京除外」をなぜ言わないのかと小池知事に質問
「都知事選最優先で、第二波のコロナ感染拡大を招いた」と批判された小池百合子・東京都知事が、第三波でも同じような職務怠慢(対応の遅れ)を繰り返し、GoToキャンペーン固執の菅義偉首相とともに国民の命を危険にさらそうとしている。不仲説が流れる両者の“バトル”再開で「GoToトラベル東京除外」のタイミングが大幅に遅れ、さらなる感染拡大を招いてしまったのだ。
 大阪市と札幌市を目的地とするGoToトラベル除外が11月24日に決まった3日後の27日、小池知事は関連質問が相次いでもGoToトラベル東京除外を政府に要請することを拒否、「国が判断を行うべき」という主張を変えることはなかった。 そこで会見終了直後、筆者は知事に声掛け質問をした。
「菅さんが嫌いだからGoTo中断を言わないのですか。(全国に)感染拡大させていいのですか。無責任ではないですか。(GoToの東京除外をしていた10月1日より)『前に戻してくれ』と一言言えばいいだけではないですか」
 しかし小池知事は、無言のまま立ち去った。
小池知事「国が判断すべき」
 一方で、GoToに上乗せする都独自の施策「もっとTokyo」については「都民の命を守る意味で一時停止を決めた」と小池知事は説明していた。
 TBSの中澤記者が、このことを指摘したうえで「もう国とか都だとかではなく、知事から政府に対して『これは東京を外すべきではないか』というふうに進言してもいいのではないかというふうに思うが」と問い質したのはこのためだ。
 それでも小池知事は「これは出と入りとセットで考えて行く必要があろうかと思います。だからこそ国が判断すべきだと。全国的な話になるので」と要請を拒否したのだ。
 まるで菅首相から「GoToトラベルの東京除外を決めたいのでお願いします」と頭を下げて来るのを待っているのかのような対応だ。小池知事が意固地になる心情は分からないでもない。
第二波の時は「東京だけを狙い撃ちにした」と恨み節
 第二波の時も両者は激突。7月11日に菅官房長官(当時)がコロナ感染拡大は「東京問題」と名指しをすると、すぐに小池知事は「(GoToキャンペーンで)冷房と暖房の両方をかけることにどう対応すればいいのか」と反撃した。
 医療関係者からは「東京と一体の生活圏で感染者が急増している埼玉・千葉・神奈川各県なども最低限、対象外にすべきだ」(7月17日の『東京新聞』)という指摘が出ていたのに、結局、菅首相の選挙区(神奈川2区)を含む神奈川などは除外されず、東京発着だけが9月末まで除外されてしまったのだ(筆者の著書『仮面―-虚飾の女帝・小池百合子』で紹介)。
 この遺恨を忘れない小池知事が「GoToキャンペーン開始時も国は東京だけを狙い撃ちにするように除外したのだから、今回も政府の判断で勝手に東京除外をしてください」と突き放したくなっても不思議ではない。
 恨み骨髄の菅首相への当てつけ(嫌がらせ)だろうか。両者の不仲で対応が遅れて被害を受けるのは国民のほうだ。東京発着のGoToトラベルを継続すれば、都内での感染拡大と同時に、全国に感染を広げる恐れもあるからだ。
動こうとしない菅首相と小池知事の“亡国コンビ”
 第三波の今回も、早期のGoToキャンペーン中断(東京除外)を求める声は、医療関係者からも出ていた。東京都医師会の尾崎治夫会長もその一人。11月20日の緊急会見で、コロナ感染者数の推移のグラフに「10月1日GoToトラベルキャンペーン東京都追加」と付記した矢印を記入したフリップを手に、次のような解説をしていたのだ。
「10月1日から東京の『GoToキャンペーン』が始まりました。これは私の目の錯覚かどうかはわかりませんが、この2週間後ぐらいからどうも感染が全国的にも増えているような気が私はいたしております」
 東京除外解除の後、若干のタイムラグを経て全国的な感染拡大が始まった右肩上がりのグラフを見れば、東京発着のGoToトラベル解禁が第三波の引き金になった可能性が十分にあることはすぐに分かる。
 しかし菅首相も小池知事も東京除外を即断即決せず、尾崎会長会見から1週間以上も責任のなすり合い、意地の張り合いを続けた。国民の命を危険にさらす“亡国コンビ”と呼ばれても仕方がないだろう。
3回目の声掛け質問にも、無言で立ち去った小池知事
 特に小池知事には、3回同じ声掛け質問をした。1回目は11月20日(金曜日)の定例会見。この日も指名されなかった筆者は、会見終了と同時に大声で質問した。
「菅さんにGoToキャンペーン中断、申し入れないのですか。東京除外している時より感染者数、増えているではないですか。見て見ぬふりをするのですか。(菅さんが官房長官から)総理大臣になったら物を言わなくなったのですか。言いなりですか」
 小池知事はこの時も、無言のまま立ち去った。
 この4日後の11月24日に小池知事は菅首相と官邸で面談、てっきりGoToキャンペーン中断の申入れをしたかと思ったが、「国と連携をしながら対策をしっかりやっていく」と言うだけで、会談内容を具体的に説明することはしなかったのだ。
 そこで翌25日の臨時会見でも、咳き込んでいた小池知事に対して体調を気遣いながらの声掛けをした。
「知事、体調は大丈夫ですか。発熱していませんか。PCR検査を受けたのですか。GoToトラベル、国に丸投げでいいのですか。無責任ではないですか。職務怠慢ではないですか。全国に感染を広げることになるのではないでしょうか」
 小池知事はまたもや無言のまま立ち去った。
 11月20日と24日と27日の3回、筆者は東京除外要請について聞いたのだが、小池知事はすべて沈黙を通したのだ。
感染拡大でも引くに引けない菅総理の「事情」
 一方、菅首相がGoToトラベル東京除外を自ら即断即決しない心情は容易に想像がつく。官房長官時代の国政選挙の“殺し文句”が「インバウンド(訪日外国人観光客)の増加」だった。
「2020年に4000万人、2030年には6000万人」の目標を口にしながら「全国の観光地は外国人観光客で溢れ返るようになり、下落傾向だった地方の地価がホテル建設ラッシュなどで上昇に転じた。インバウンド4000万人は射程に入った」と成果をアピール、去年7月の参院選でも、故郷秋田での自公推薦候補の応援演説で、次のように語っていた。
「秋田県に宿泊する外国人の数は2万8000人でしたが、今は11万4000人ぐらいになっているのです」「地方の地価は25年間、ずっと下落でした。『人口減少で、もう上昇することはないだろう』と言われていましたが、今年(2019年)、27年ぶりに地価が上昇しました。これはやはりインバウンドの影響が大きかったと思います。どこに行ってもホテルが足りない状況です」
 しかしコロナ禍で状況は一変。「2030年に6000万人」の旗を掲げた安倍前首相や菅首相に煽られた観光業者はホテル新設や改築の先行投資に励んだが、インバウンド需要蒸発で地獄の底に突き落とされた。
 しかもコロナ不況下に首相が辞任、尻拭いを一手で引き受けることになった菅首相にとっては、観光業者救済は至上命題なのだ。「インバウンドバブルを煽った疫病神」といった批判が観光業者から噴出すれば、次期衆院選での大幅な減票(議席減)を招く恐れがあるからだ。
 だから菅首相はGoToトラベル中断を自ら決めるのではなく、自治体の要請を受けて決断した形を取りたかったのではないか。そして小池知事は、菅首相の弱みを見透かした国に判断を丸投げしたのではないか。どこまでも国民のことより、自分たちの利益や感情でしか動かない連中である。
 いずれにしても、一国の総理と首都のトップが緊急感染対策を即断即決できないのは、大問題としか言いようがない。こんな状態がいつまで続くのか。ご乱心状態のツートップから当分、目が離せない。
<文・写真/横田一>
【横田一】
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数