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安倍総理の志は死なない!!

中国騒然、『環球時報』編集長の下半身スキャンダル

 中国で最も著名な、アメリカと戦う「戦狼(せんろう)編集長」が、前代未聞の下半身スキャンダルに揺れている。中国共産党中央委員会機関紙『人民日報』系列の国際紙『環球時報』の胡錫進編集長(60歳)である。胡編集長は、中国の強硬派筆頭とも言える論客で、外交部報道官とともに、中国共産党政権の「強国外交」をアピールする急先鋒である。
副編集長が編集長の醜聞を実名通報
 そんな胡編集長に対して、先週2日、彼の部下である段静濤副編集長が、中国共産党中央紀律検査委員会・中国国家監察委員会のネット上の「投書箱」に、驚愕の内容を、実名で訴え出たのだ。それは、以下の通りである。
<タイトル・・・環球時報胡錫進編集長の婚外私生児の通報
問題類別・・・生活紀律行為違反
問題細分・・・不当性関係
主要問題・・・中紀委のリーダー、こんにちは。私は環球時報社副編集長の段静濤です。私は今回、組織(紀律委員会)に向けて、幹部である環球時報胡錫進編集長について、実名で通報します。彼は理想信念を喪失させ、党の規則と国の法律に厳重に違反し、環球時報の元社員のAさん(原文は実名)及び現在の社員Bさん(原文は実名)と、長年にわたって不当な性関係を結んできました。彼女たちはそれぞれ、胡錫進との間の私生児を育てています。
 胡錫進は共産党の新聞の責任者として、世間に名の知れたメディア人として、表向きは勤勉実直、愛国戦士ですが、私生活は酒池肉林で、腐化堕落しているのです>
どちらの言い分が真実か?
 以上だが、何ともショッキングな内容である。これが公開されるや、中国のネットやSNS上は、ハチの巣をつついたような騒ぎになった。胡編集長は直ちに釈明に追われ、次のような長い声明文を発表した。
<おそらくオレのフォロワーは、環球時報段静濤副編集長のオレへの実名通報を見ただろう。オレはいま、広州南砂区にいて、区政府の招待を受けて講義をしているところだ。この件を聞いて、オレはまず、二人の無辜の牽制を受けた環球時報の同僚と元同僚に電話をした。彼女たちに、こんな形で面倒なことに巻き込んでしまったことに対して、謝罪したのだ。
 オレは皆さんに、この数年間起こった一連のことを、簡単に述べたい。約3、4年前、段静濤同志は、中央党校で一時、学習した。彼女はおそらく思う所があったのだろう。戻ってくると、『胡錫進はまもなく環球時報を離れ、自分が編集長に就く』と、内外に触れて回った。当時、オレは、小さい範囲内での処理で済ませた。彼女に不利にならないようにと、反駁の範囲を広げなかった。
 1カ月ほど前、具体的には10月27日、段静濤同志がオレの部屋にやって来て、話をした。彼女はオレに直接、『編集長を辞めて自分に引き継がせてほしい』と要求した。彼女は、『中央紀律検査委員会があなたのことを調査していて、すでに結論は出た。だが今辞めれば、平穏に済ませる』というのだ。彼女が言うには、『自分はお願いに来たのではなく、“交渉”に来たのだ』という。
 ところが彼女は翌朝、WeChatでメッセージを私に送ってきた。『あなたにお詫びしたい。私の中の<邪心のようなもの>が<ばかなこと>を言ってしまった。<命を救う恩を与える>などと言ってしまって済まない』。その内容はここにあるので、皆さんにお見せする。そんな経緯があって、今回のことになったのだ。
 段静濤はすでに長期にわたって、環球時報の仕事に参加していない。つまり暇をかこっている状態だ。原因は、環球社務委員会から見て、彼女は正常な職務履行能力を失っているからだ。それでもわれわれはずっと、彼女を守ってきた。オレは1カ月ほど前のその時の会話で、彼女に言った。『あなたのそのようなやり方は、組織の原則に違反しており、道徳的原則にも違反している。オレが辞めてあなたに引き継ぐという話は、あなたの妄想であり、目を覚ますべきだ』
 この話をした後、事態の重さに鑑みて、オレは環球時報社務委員会に通報し、人民日報の所管のリーダーにも報告した。しかしそれでも、この件を内部だけにとどめておいた。今日もしもこんな形で大騒ぎにならなければ、オレは絶対に、こんな話を公開しなかっただろう。正直言って、こんなことをしでかした段静濤に不利な影響が出ることの方を、余計に心配してしまう。
 とはいえ、状況はオレ個人の名誉だけでなく、巻き込まれた無辜の同僚と元同僚の二人の潔白、そして環球時報の名誉にも及んでいる。そのため切迫している状況を、どうか皆さんに理解してほしい。
 オレは広州空港で、環球時報の何人かの幹部とオンライン会議を開いた。われわれは人民日報に正式な結論を求める。しかしそれも一つの過程で、オレは個人として、新聞社が結論を出した後、さらに皆さんにお伝えする。環球時報とオレを支持してくれる人々に、心から感謝申し上げる>
 以上である。この文章が出るや、中国人たちは、「一体どちらの言い分が正しいのだ?」と、再び侃々諤々となった。
現在のところ、党中央紀律検査委員会に動きなし
 そして、注目の12月5日を迎えた。この日は『環球時報』が政界、学界、マスコミ業界など、内外の関係者数百人を集めて年に一度行う「2021 環球時報年会」が、北京で開かれたのだ。
 会場に詰めかけた人々の目は、一斉に「噂の主」に注がれた。真っ赤なネクタイを締めた胡錫進編集長は、壇上に上がって、こう釈明した。
「オレは『環球時報』の編集長だから、よく議論の的にされるし、汚水を一杯、また一杯と引っかけられる。だがな、オレは元気だ。オレは先日、ネット上で言ったことを、もう一遍言わなきゃと思っている。つまりオレは、ふうふう息をして生きているし、長寿だということだ。
 マスコミ業界の人は、胡は今回の事件の影響を受けるのは不可避だと言う。本来なら今年退職するはずなのに、いまだ退職していないが、もうこれで編集長の地位も長くないだろうと言う。
 オレがなぜ、深紅のネクタイを付けてきたか。それは、深紅はトランプが好きな色だからだ。多くの人たちが、胡は誰々に似ていると言う。よく言われるのは、CCTVの元司会者と、トランプだ。
 だが、オレは悩ましい。なぜトランプが大統領に就いた時に似ていると言わないで、退任する時になって言うんだ。
 思えば、2020年は本当に『驚天動地』『波乱万丈』だった」
 このように胡編集長は、壇上で開き直ったが、年会の参加者の一人に聞くと、意気消沈していたという。
 通報を受けた中国共産党中央紀律検査委員会は、いまのところ何の声明も出していない。だが一つ言えるのは、普段は『大国』『強国』を声高に唱えている『環球時報』も、内部はドロドロ、モヤモヤしているということだ。少しホッとした気もする。