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安倍総理の志は死なない!!

国連で日本提出の核廃絶決議採択 中国の脅威念頭、露も賛同

 日本が国連総会に提出した核兵器廃絶決議案が7日、150カ国の賛成を得て採択された。米国とロシアが期限延長に向け交渉している新戦略兵器削減条約(新START)の重要性を訴えるとともに、核保有国が軍備管理に向けた対話を開始すべきだと提起した。一切の縛りなく核・通常戦力を増強する中国の脅威を念頭に置いたもので、軍縮の枠組み拡大の機運を高めたい考えだ。
 採択は27年連続で、今年は米英が共同提案国に加わり、反対は中国、北朝鮮、ロシア、シリアの4カ国だった。フランスやドイツ、インドなど35カ国は棄権した。
 決議案では初めて新STARTを取り上げた。延長に向けた米露の対話を促すとともに、核兵器国による軍拡競争の予防に向けた「軍備管理対話」の開始の重要性を訴えた。米露だけでなく、中国を巻き込んだ新たな枠組みがなければ軍縮は実効性を帯びないとの問題意識が背景にある。
 各国は「全体投票」に加え、パラグラフごとの「分割投票」で決議への賛否を示す。ロシアは全体投票では反対に回ったが、新STARTや軍備管理対話を取り上げたパラグラフには賛成した。反対したのは中国だけだった。
 中国を巻き込んだ軍備管理は米国が強く主張し、日本も支持してきたが、外務省幹部は「ロシアが賛成したのは画期的だ」と歓迎する。今後も中国が核軍縮の議論に乗ってくる見込みは薄いが、国際社会の視線が向けられた点では「一定の重み」(政府関係者)が期待できるという。茂木敏充外相は8日の記者会見で「決議案の採択を通じて、各国が一致して取り組むことができる共通基盤の形成を促す」と語った。
 一方、決議では日本への批准圧力が高まる核兵器禁止条約への直接の言及は避けた。核廃絶という目的は共通するが、条約には核兵器を持つ国は加わっておらず実効性は乏しい。核抑止をも否定していることから、安全保障の観点からも日本の立場とは相いれないのが実情だ。(石鍋圭)