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子供達が見た北海道新幹線「トンネル貫通」の瞬間

外界とつながると、一筋の光が差し込んできた
大坂 直樹 : 東洋経済 記者
2023年04月10日

北海道新幹線豊野トンネル貫通の瞬間。開いた穴から一筋の光が差し込んだ(記者撮影)
3月29日14時22分、トンネル内部に残っていた最後の土の壁を掘削機械が削り取り、外界とつながった。ぽっかりと開いた穴から一筋の光がさっと差し込んできた。「おおーっ」。作業の様子を見守っていた人たちの間から歓声が上がった。
北海道新幹線の整備を行う鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)は、2030年度末の開業を目指し、北海道新幹線・新函館北斗―札幌間の工事を進めている。全区間の約8割がトンネル区間で17本のトンネルが設けられる。今回貫通したのは新八雲(仮称)駅と長万部の駅の間に設置される豊野トンネル。全長は約1.6kmで2020年11月に札幌側から掘削が始まった。掘削が完了したトンネルとしては6本目となる。
「貫通の感動」を共有したい
通常の工事であれば、トンネル内で貫通の瞬間に立ち会うのは作業員や工事関係者に限られる。だが、この日は違った。どう見ても場違いな子供たちが、最前線で工事の様子を見守っていた。
豊野トンネルの隣にある国縫トンネルは一足早く2022年10月に掘削が完了している。JRTTの竹村和晃・長万部鉄道建設所長は、その貫通の瞬間に立ち会った。「午後1時30分、暗いトンネルの中に一筋の日の光が差し込んでくるのを見て、やりがいと達成感を味わった」。竹村所長は当時の心境をこう話す。
この感動を多くの人たちと共有したい。なかなか見ることができない貫通の瞬間を地元の人にも見てもらいたい。JRTTの関係部署の間で議論が行われ、トンネル貫通の瞬間を地元の子供たちに公開してはどうかというアイデアが出た。さっそく長万部町に相談し、企画が実現した。貫通の瞬間を公開する試みは、JRTTでは2020年8月に貫通した北陸新幹線深山トンネルに続き2例目だが、このとき招待したのは地元自治体関係者や地元住民の代表に限られた。子供たちを招待したのは今回が初めてとなる。
工事の進捗状況を見ながら、実施日は3月29日に決まった。27日夕方には貫通まであと1mというところまで達し、そこで掘削作業をストップ。28日は一般の人が歩いても危険のないように足場を整備したり、清掃したりするなどして公開に備えた。
さて、本番当日。集合場所は長万部駅から函館寄りにおよそ10km離れた国縫駅の近くにある豊野トンネル坑口付近の作業ヤードだ。この日の道南エリアはよく晴れて青い海が太陽光を受けてキラキラと輝いていたが、なぜかトンネルの真上だけどんよりとした雲が太陽を隠していた。「天気予報では晴れるはずなんですけどねえ」。JRTTの担当者は、貫通の瞬間に「一筋の光」がトンネル内に差し込むかどうか気が気でない様子だ。
そんな心配をよそに、長万部町のバスが13時すぎに到着した。バスから降り立ったのは地元の子供たちとその保護者8組18人。子供たちの年齢は4〜10歳とまちまちだが、みな興奮の様子を隠さない。それはそうだろう。工事中のトンネルに入って、しかも貫通の瞬間に立ち会うのだから。太陽が出ているかどうかなんて気にしていない。
「造っているのはJRではなくJRTT」
親子連れたちを前に竹村所長が注意事項を説明したあと、一同は別のバスに乗り込み、トンネルの中に入っていった。報道陣を乗せたバスも後に続く。
トンネルの幅は約9.5m、高さは約8m。およそ800m走ったところでバスが停車した。親子連れたちが下車すると、トンネルの壁面にスライドや動画が映し出され、トンネル内で即席の説明会が始まった。「新幹線に乗ったことがある人はいますか?」。スタッフの質問に手を挙げた子供は1人もいなかった。
北海道新幹線の概要が子供向けにわかりやすく説明された後、その後は豊野トンネルの工事の内容についての説明だ。山岳トンネルで一般的なNATM工法で行われ、土の硬さによってロードヘッダー(回転式の半球形ドラム)やツインヘッダー(回転式のドラムカッター)などの掘削機械を使い分ける。今回は発破を使うほどではないという。1m掘るごとに周囲を鉄の枠で支え、コンクリートで固める。この作業を昼夜問わず繰り返し、1日におよそ4m掘り進む。
「新幹線が通るトンネルや橋、線路、駅は私たちJRTTが造っています。JRではありませんよ」という説明もなされた。あとで、スタッフから、「実はこれがいちばん強調したかったことなんです」と耳打ちされた。確かに整備新幹線のインフラを造っているのがJRではなくJRTTだということは、新幹線に乗ったことがない長万部町の子供たちどころか、全国のビジネスマンの多くも知らないに違いない。
一通りの説明が終わったあと、親子連れたちは再びバスに乗り込み、さらに奥に進んだ。覆工コンクリートが打設されてすべすべしていた壁は、吹付コンクリートのざらざらした壁に変わった。工事現場の最前線に近づいていることが伝わってくる。
それからまもなくして、バスはトンネルの先端に到着した。目の前にはツインヘッダーを装着した重機が置かれており、その先には切羽と呼ばれる掘削面がある。土がこぼれ落ちないようにコンクリートが吹き付けられている。幅は約1mで、これを削り取ると外界とつながる。
「もっと手前まで来てもいいですよ。でも赤白のコーンよりも前には出ないでくださいね」。竹村所長が子供たちを手招きした。報道陣も子供たちの後に続く。その後ろには作業員たちがずらり。手が空いている作業員は、たいてい貫通の瞬間を見に来るという。自分たちの苦労が目に見える形で報われる瞬間だからだ。
貫通の瞬間、差し込んだ光
14時19分すぎ、施工会社の所長が「掘削開始!」と合図をして、掘削機械が動き出した。轟音とともにツインヘッダーが手際よく土を削り取っていく。それから2分少々して、切羽に開いた穴の間から光がさっと差し込んできた。竹村所長の言う国縫トンネル貫通の瞬間に差し込んできた一筋の光もきっとこんな感じだったのだろう。「無事貫通しました」。施工会社の所長が竹村所長に報告した。
続いて、万歳三唱。山の神様に無事貫通したことを奉告し祝う儀式である。「ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい」。野太い作業員の声に混じって、子供たちの甲高い声も聞こえた。その後は「清めの儀」として、掘削面が酒、米、塩で清められた。儀式が終わると、子供たちとその保護者たちは貫通した掘削面の前で記念撮影。子供たちや保護者も思い思いに自分のスマホで写真を撮影していた。その合間に子供たちに話を聞いた。4月から小学4年になる女の子は「すごいところを見た。勉強になった」と頬を紅潮させていた。
竹村所長も「貫通の瞬間を地元の子供たちといっしょに味わえてうれしい」と喜んでいた。これまでにも数多くの抗区を担当してきたが、今回は感慨もひとしお。「今後も町民のみなさまに喜んでいただけるような企画を考えたい」と話した。
貫通の瞬間、掘削によってこぼれ落ちた石が子供たちにお土産として渡された。なんの変哲もない石だが、子供たちにとっては宝物だ。
見学が終了し、再びバスに乗るようにうながされた。バスに乗る直前に後ろを振り返ると、作業員たちが掘削面を背に記念写真を撮っているのが見えた。
トンネルの外に出ると、雲の間から太陽が顔を出していた。トンネルに入る前は曇っていたのに貫通の瞬間に光が差し込んだ理由もこれで納得した。山の神様のおかげだ。
「新幹線が開業する町」の現実
長万部町の人口は2023年3月時点で4867人。今から60年ほど前には人口が1万5000人を超えていた。北海道の交通の要衝として多くの国鉄関係者がこの地に住んでいた時代である。
新幹線の長万部駅開業を見据え、駅周辺の商店街や温泉街の活性化を図る必要があると町は考えている。現在の長万部駅の周辺は閑散としているが、新幹線駅ができれば周辺にも商業施設が続々とできるのだろうか。地元のタクシー運転手に聞いてみたら否定的な答えが返ってきた。

閑散とした長万部駅前の商店街(記者撮影)
「北海道新幹線が停車する木古内駅や新函館北斗駅で下車する客は少ないから、駅周辺には何もない。札幌に延伸しても長万部で下車する客は少ないだろうから、ここで商売したいと思う人はいないよ」。でも、立派な駅ビルができればそこで商売しようと思う人がいるのではないか。こんな質問にもこのタクシー運転手は否定的だった。「町の高齢化が進んでいる。新幹線が開通する頃に60〜70代になっている人たちが、冒険をすると思うかい?」。
新幹線が開業しても、その結果としてもし在来線がJR北海道から切り離されたら、開業後の交通はむしろ不便になるのではないかと危惧する町民も少なくないという。新幹線の工事に携わるのは東京や札幌の業者ばかりで地元にあまりお金が落ちないという話も聞いた。これが長万部の町の現実だ。
しかし、トンネルに差し込んだ一筋の光を見つめていた子供たちの表情が忘れられない。新幹線が開業する頃にはまだ中学生か高校生かもしれないが、こうした若者たちが新幹線を生かしたまちづくりの原動力になると期待したい。

宮古島沖で発着艦120回!? 中国空母「山東」艦載機の訓練を実施 防衛省・自衛隊

日本側は海自の護衛艦2隻が対応
 防衛省・統合幕僚監部は2023年4月10日(月)、沖縄周辺の海域を航行する中国海軍のクズネツォフ級空母「山東」が艦載戦闘機の発着艦を行うのを、海上自衛隊が確認したと発表しました。

中国海軍の空母「山東」から発艦する艦載戦闘機(画像:統合幕僚監部)。© 乗りものニュース 提供
 説明によると、「山東」を含む複数の中国海軍艦艇が、7日(金)から9日(日)にかけて太平洋上の海域を航行していることを確認したそうで、いずれの日も宮古島の南方海上にいたとのこと。
 陣容は空母「山東」のほかに、ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦1隻、ジャンカイII級フリゲート1~2隻、フユ級高速戦闘支援艦1隻という構成で、日本に最も近かった9日には宮古島の南約230kmの位置にいたといいます。
 また、この間に中国海軍の空母「山東」において艦載戦闘機による発着艦を約80回、同艦載ヘリコプターによる発着艦を約40回、合計で約120回の航空機による発着艦を確認しています。
 これに対し、海上自衛隊は長崎県の佐世保基地を母港とする第13護衛隊所属の護衛艦「さわぎり」や、広島県の呉基地を母港とする第4護衛隊所属の護衛艦「さざなみ」によって、所要の情報収集・警戒監視を行ったほか、艦載戦闘機の発着艦に対しては、航空自衛隊の戦闘機を緊急発進させるなどして対応したそうです。