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安倍総理の志は死なない!!

過去には「まんべくん」や「鏡月」、ミセス「コロンブス」も炎上…セブン「中国(台湾)表記」に見る、“不適切投稿”はなぜ避けられない?

ネコウヨ

セブン&アイ・ホールディングスのXアカウントの投稿が炎上して、謝罪に追い込まれる事態となっている。

発端は7月11日、「セブン-イレブンの日」に世界各国のセブン-イレブンのユニフォームを紹介するとしてなされた投稿だ。台湾のユニフォームの紹介部分で、「中国(台湾)」と紹介されていたのだ。

中国政府は「台湾は中国の一部」というのが公式見解だが、台湾人に限らず、日本人でもそのように解釈していない人が多い。この投稿は、たちまち批判を集め、炎上状態となった。

当該の投稿は削除され、セブン&アイ・ホールディングは、7月12日に。「一部の国・地域の表記について配慮に欠けるものであった」という内容の謝罪を行った。

その後、ホームページ上にも「中国(台湾)」の記載があったことが判明している。

セブン-イレブン
「セブン‐イレブンの店舗数(世界20の国と地域)」のページで、「中国(台湾)」と表記されている(画像:セブン-イレブン・ジャパン公式サイトより)

過去に何度も起きた「政治的に正しくない」投稿

筆者は、台湾には10回以上行っており、直近では2024年に行ったばかりなのだが、台湾で一番普及しているコンビニはセブン-イレブンであり、台湾の街を歩くと、至るところでセブン-イレブンの店舗に行きあたる。

それだけに、このような投稿が行われたことは筆者にとって驚きでもあり、残念なこともでもあった。ただ、このようなことは、過去に何度も起きてきており、今後も起きうることでもある。

こうしたことが起きないように、企業はどのような対応を行う必要があるのだろうか。

国際関係・人種・民族問題に関する投稿で、過去に炎上した事例は数多く見られる。

古い例になるが、2011年に北海道山越郡長万部町のイメージキャラクター「まんべくん」のTwitter(当時)アカウントが、太平洋戦争に関して「どう見ても日本の侵略戦争が全てのはじまりです」などと投稿して炎上し、アカウント閉鎖へと追い込まれた。

このアカウントは、「毒舌アカウント」として当時は人気を博していたのだが、つい行きすぎた投稿を行って炎上してしまった。なお、本アカウントの運用は外部に委託しており、長万部町側で投稿の管理が十分にできていなかったことも問題であった。

同年、サントリーが販売する韓国焼酎「鏡月グリーン」の商品紹介のサイトに、日本海の名称に韓国や北朝鮮が主張する「東海」と表記されていたことで批判が殺到するという事案も起こった。批判を受けてサントリーはページを削除して謝罪を行ったが、今度は韓国側から批判を浴びる結果となってしまった。

なお、この一件以降、サントリーは愛国系アカウントから「反日企業」のレッテルを貼られ、事あるごとに批判を浴びる事態になっている。

サントリー
サントリーのホームページには、謝罪文が残されている(画像:サントリー公式サイトより)

「ユニクロ」も炎上した過去

2015年には、8月9日(長崎原爆の日)に、日本のディズニー公式のTwitter(当時)アカウントが「不思議の国のアリス」のアニメの画像とともに「なんでもない日おめでとう。」と投稿して炎上。投稿は削除して謝罪する結果となった。

また、2010年代後半以降、DHC元会長の吉田嘉明氏がネット上で韓国に対するヘイトスピーチを繰り返し行って批判を浴びている。2021年には韓国で不買運動が発生し、DHCは韓国から撤退を決定するという事態となった。

2024年には、ユニクロブランドを運営するファーストリテイリングの柳井正会長が英BBCのインタビューで、強制労働の疑いがある新疆ウイグル自治区の綿花を自社製品に「使っていない」と発言して、中国で炎上が起き、不買運動が起きる事態となっている。

なお、柳井会長は2021年の決算会見では、新疆ウイグル自治区の綿花の使用に関する質問に対し「政治的には中立な立場でやっていきたい。ノーコメントとさせていただきたい」と曖昧な回答をしたことで批判を浴びていた。

ユニクロに限らず、スウェーデンのファストファッション大手のH&M、アメリカのナイキにおいても新疆ウイグル自治区の綿花を使用しないことを表明して、中国で不買運動が起こっている。

こうして見ていくと、断続的に国際関係に関するネタで炎上が起きていることがわかる。なぜ、同じような過ちが繰り返されるのだろうか?

セブン-イレブン
セブン&アイホールディングスの公式Xが7月11日にポストした内容が物議(画像:同社公式Xより)
セブン-イレブン
よく見ると、「中国(台湾)」と表記されている(画像:同社公式Xより)

報道のプロ「NHK」ですら間違えてしまう

「まんべくん」やDHC元会長の吉田氏のような、確信犯で行った発言が批判に晒されるのは自業自得と言える。無知や不注意によって批判を浴びてしまうのは不本意なことであり、避けなければならないことだ。

このたびのセブン-イレブンの台湾表記の問題、サントリーの日本海の「東海」表記の問題、ファーストリテイリング柳井会長の新疆ウイグル自治区に関する発言のいずれも、どのような発言をしてもどこかから叩かれるような事案だ。

柳井会長の場合は、記者会見で質問されて答えざるをえなかったので不可避だったところはあるが、それ以外は、自分から情報発信しなければ回避できた事案だ。

グローバル化している現在では、多種多様な意見や価値観を持つ人たちとバランスよく付き合い、顧客として良好な関係を築く必要がある。「事なかれ主義」という批判はあるかもしれないが、企業はこうした政治的な事案とは距離を置いたほうが賢明だ。

このたびのような問題を防ぐためには、リテラシーを高め、常にリスクを意識しながら情報発言するしかないのだが、それができれば苦労はしない。

昨年、人気ロックバンドMrs. GREEN APPLEの楽曲「コロンブス」のミュージックビデオが炎上した。類人猿が登場することに対して、「差別的だ」という批判を浴びたのだ。

現在では、コロンブスは英雄ではなく、先住民侵略のきっかけを作った人物と見なされていることを知っていれば、このような過ちを犯すことはなかっただろうし、「初歩的なミス」と容易に認識することもできただろう。しかし、実際には、誰も止めることのないままに世に出てしまったのだ。

セブン-イレブンのケースにしても、たまたま担当者が台中関係に関して十分に理解していなかった、あるいは理解していても投稿時にリスクが意識できていなかった可能性がある。

台湾に関して言えば、2009年に放送されたNHKスペシャル「シリーズJAPANデビュー」の日台関係の描き方に際して、「偏向報道だ」という批判が巻き起こり、番組に出演した台湾先住民族の女性がNHKに損害賠償を求める事態になったことあった。

報道の「プロ」さえも間違いを起こしてしまうことがありうるのだ。

セブン-イレブン
投稿翌日に謝罪したセブン&アイホールディングス(画像:同社公式Xより)

炎上を避ける「唯一の方法」

そうした中で、事前に炎上を防止するためには、複数の人の目のチェックを経ることが重要となる。

ちなみに、セブン-イレブンの公式Xアカウントには660万人のフォロワーがいる。

読売新聞の現在の発行部数は約560万部だ。もちろん単純に比較はできないのだが、セブン-イレブンのXアカウントのフォロワー数は、日本で一番売れている新聞の発行部数より多いのだ。フォロワー数の多い企業のSNSアカウントは、マスメディア並みの影響力を持っていると言える。

当然、運営も慎重になるべきなのだが、チェック体制が十分でないアカウントも多数存在している。なお、マスメディアへの広告の出稿においては、社内でも表現のチェックが行われるし、メディア側でも考査を経るのが一般的だ。

SNSやネットでの情報発信の場合は、担当者の裁量に任せられていることも多く、チェック機能が十分に働かないことも起こりうる。

ただ、セブン&アイ・ホールディングのような超大企業がSNSとホームページの両方で「不適切な記載」を行ってしまったのは、チェック体制が不十分であったと言わざるをえない。

ローソンのXアカウントのフォロワー数は、セブン-イレブンよりも多い880万人だが、同社は投稿する前に社内の100人以上に回覧されるという。時間と手間はかかってしまうが、リスク回避のためには重要なプロセスだ。

残念だったセブン-イレブンの炎上

筆者は台湾を何度も訪問していると書いたが、現地のセブン-イレブンにもよく行っている。日本にはない商品も多数あり、日常的な買い物にも、お土産の購入にも活用できる。

台湾のセブン-イレブンには「OPENちゃん」というオリジナルキャラクターがいて、台湾人に親しまれている。

日本と台湾との歴史的な関係は複雑な経緯はあるのだが、台湾人の多くは親日的であるし、日本文化に対する受容度も高い。筆者自身も、台湾で多くの現地の人たちに親切にされた思い出がある。

セブン-イレブンも日本人も台湾で広く親しまれているだけに、今回のような事態が起きてしまったことは筆者としても残念だ。

同社には、リテラシー向上とチェック機能の強化を行い、同様の過ちが再び起きない体制が築かれることを願うばかりだ。