
未登録の車や車検切れの車は本来、公道を運行することができない。しかし、「仮ナンバー」(臨時運行許可番号標)を使えば条件付きで公道を走ることができることをご存知だろうか。
もちろん、動画撮影や試乗に使うことは厳禁なのだが、中国の自動車メーカー『吉利汽車(ジーリー)』と、中国の人気動画メディア『30秒懂車(ドゥン・チャー)』は、7月上旬に重大な違法走行を行った。
仮ナンバーで「燃費検証対決」を開催
ジーリーと30秒懂車が行った「違法行為」は次のようなものだ。昨年、アメリカ大陸横断で「39.6 km/ℓ」という世界最高燃費を記録し、ギネス認定されたトヨタ・プリウスに対して、ジーリーの最新モデル『ギャラクシーA7』で、首都高速を使って燃費対決をするという企画である。しかし、そのために持ち込まれたジーリーの最新モデルは、先に述べたように仮ナンバー(臨時運行許可番号標)での走行なので「燃費対決企画」はもちろん目的外の使用となり、違法となる。
そもそも、企画の立案過程にも疑惑が残る。30秒懂車によると、SNSに突如、「ジーリーよりトヨタやホンダのほうが優れている!」という日本語リプライが大量に寄せられ、その検証のために対決企画を開催したという。しかし、筆者が確認したところ、コメントを送った多くのアカウントがそれ以外に投稿を行っていない「捨てアカ」だったことが判明。つまり、壮大な自作自演である可能性が高いのだ。
それでも、6月18日に30秒懂車が燃費対決企画を中国のSNS『ウェイボー』で予告するや、この投稿は1300回以上もリポストされ、日本に対する差別用語を含むジーリーへの応援コメントが多く寄せられた。
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斜線の仮ナンバーは車検やナンバー発給など車検場や運輸支局への移動に限られている。撮影用に使うのは完全に目的外使用で法令違反になる© FRIDAYデジタル
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こちらは横浜の仮ナンバーを付けた別の『ギャラクシーA7』。首都高速湾岸線大井南入口から首都高へ入ろうとしていた© FRIDAYデジタル
過去にも同じ違反を犯していた
そして7月2日にはギャラクシーA7が仮ナンバーで首都高速中央環状線を100km走行、その様子を撮影した。公開された動画の説明欄には〈挑戦コースは日本の有名な首都高速環状線C2号線で1周50kmです。今回は2周で合計100kmを走りました。最終的な燃費でプリウスを上回り、「最高燃費」記録を破ることができました〉とあるように、プリウスを大きく上回る好燃費を記録したとした。
しかし、そもそも、ギャラクシーA7はPHEV(プラグインハイブリッド)であり、プリウスはガソリンハイブリッドHEVを搭載しており、パワートレインは全く異なる。この2車を比較する時点で企画そのものの条件が破綻していると言える。
実はこの2社の違法行為は今回が初めてではない。昨年5月末にも同じことが行われていた。最新HEV『星瑞L』と『星越L』を日本に持ち込み、茨城県の『筑波サーキット』と群馬県の榛名山で試乗会。東名高速道路などで宣伝動画の撮影も行っている。もちろん、この際も仮ナンバーを付けた状態で行われた。これがのちに大問題となり、仮ナンバーを用意した日本の整備業者は、国交省関東運輸局から行政処分が下されている。
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