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中国「スーパー大使館」構想が、英中の外交問題に...建築図面「黒塗り」部分の開示をめぐり応酬

ネコウヨ

<ロンドンで欧州最大の巨大な大使館建設を計画する中国だが、スパイ行為への懸念が高まる中で一部のエリアが黒塗りされた図面を提出したことに批判が>

[ロンドン発]英国のアンジェラ・レイナー副首相は8月6日、中国がロンドンのロイヤル・ミント・コート(旧造幣局跡地)に建設を予定している欧州最大の「スーパー大使館」(敷地面積2万2200平方メートル)について2週間以内に追加情報を提出するよう求めた。

同日付の英紙ガーディアンや英大衆紙デーリー・メールの報道によると、レイナー副首相は在英中国大使館に宛てた書簡で、建築許可を出す前に一部の図面が黒塗りされた理由を説明するか、黒塗り前の図面を提出するよう求めている。

香港と新疆ウイグル自治区の人権問題を憂慮する地元住民や活動家の抗議活動が数カ月にわたって繰り広げられる中、スターマー英政権は9月9日までに建築を許可するかどうか結論を出す。スーパー大使館の図面は地下室やその他のエリアが黒塗りされている。

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移設担当の会社に黒塗りの根拠を説明するよう要請

レイナー副首相は黒塗りされた図面が建築許可の対象となる内容を国民は把握する必要があるという原則に反している恐れがあると疑問を呈している。このため、スーパー大使館の移設計画を担当するコンサルタント会社に図面の一部を黒塗りした根拠を説明するよう求めた。

英内務省と外務省は大使館の安全を確保するため敷地の周囲に「物理的な境界」を設けるよう要請。書簡ではこれが移設計画の重大な変更となり、さらなる協議が必要となる可能性があることが明記されている。中国大使館側の弁護士は設計変更の意図はないと説明している。

中国は2018年にロイヤル・ミント・コートを2億5500万ポンド(約502億円)で購入したが、地元のタワーハムレッツ区議会が22年に安全上の懸念と住民の反対を理由に大使館移設に反対、計画は頓挫していた。

中国は対抗措置として在中英国大使館再建を阻止

中国の習近平国家主席は昨年8月の電話会談でキア・スターマー英首相に問題を提起し、大使館移設計画は英中間の主要な外交問題として浮上した。ガーディアン紙によると、中国は移設計画が止まっている間、対抗措置として在中英国大使館再建を阻止しているとされる。

ドナルド・トランプ米大統領の復活を受け、スターマー政権は米国、欧州連合(EU)、中国との等距離外交に舵を切った。しかし建設予定地は2つの金融街を結ぶ地下の光ファイバーケーブルに近い上、反体制派や一般市民をスパイするために利用されるとの疑念が投げかけられる。

デーリー・メール紙は「大使館の地下室が『スパイの地下牢』に転用される恐れがある」との懸念を示す。スーパー大使館建設に反対してきた対中政策に関する列国議会連盟のルーク・デ・プルフォード氏は「外相と内相は毅然とした態度を貫かなければならない」と釘を刺す。

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国家安全保障、外交関係、英国内の政治対立を巻き込む

英中黄金時代から対中強硬路線に急旋回した保守党は「大使館がスパイ拠点として利用されることは明らかだ。悪意ある利用に関する重要な情報は中国当局によって隠蔽されている。英国の国家安全保障が脅かされており、労働党の閣僚は現実から目を背けている」と警戒する。

米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のアオシェン・プスツァゼリ氏は「大使館と別棟を結ぶ地下トンネルや地下室が設計され、光ファイバーケーブルの盗聴や地下アクセスによる情報収集活動が懸念される。近くにBTの通信施設や3つデータセンターがある」と指摘する。

「用途不明の屋上構造を備えた7階建てのエンバシーハウスはSIGINT(信号諜報)収集用に設計することもできる。スーパー大使館構想は国家安全保障、外交関係、スパイ同盟、英国内の政治対立を巻き込む複雑な問題」

スターマー政権が経済再建と対中関係改善を優先する一方で、トランプ米政権との信頼関係やアングロサクソン系のスパイ同盟「ファイブ・アイズ」の安定性を損なうリスクが現実味を帯びているとプスツァゼリ氏はCSISのポッドキャスト(6月13日付)で指摘している。