Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

効果絶大の防衛策、尖閣に海上保安庁「巡視基地船」を常駐させよ

ネコウヨ

JBpress 提供 尖閣防衛策として海上保安庁の「巡視基地船」を常駐させるべきだ。写真はアメリカ海軍の海洋基地船(写真:米海軍)
(北村 淳:軍事社会学者)
 ロシアによるウクライナ侵攻の危機、台湾を巡る米中対立の激化で2022年はスタートする。
 バイデン政権が舵を取るアメリカは、中国やロシアとの軍事的直接対決は不可能に近い状況に陥っている。そのため、中国に対してはオーストラリアや日本を、ロシアに対してはNATO諸国を、それぞれ“動員”して米軍戦力を再構築する時間稼ぎを図らねばならない。
 しかしながら、アメリカが中国やロシアに対抗するとともにイランをはじめとする中東方面や北朝鮮などにも睨みを利かせるだけの戦力を構築するにはかなりの時間が必要だ。トランプ政権期に打ち出された海軍力を中心とする米軍再建計画が実施されたとしても、5年ほどではとても目標は達成できない。ましてやバイデン政権はトランプの大軍拡路線を否定しているため、米軍戦力が中国やロシアをはじめとする仮想的勢力と対決できるようになるにはさら長い年月が必要となってしまった。
 もちろん、中国やロシアがのんびりと米軍戦力が再構築されるのを待ってくれる道理はない。現実には、中国はアメリカの数倍のスピードで海洋戦力や各種ミサイル戦力や無人機戦力、それに宇宙戦力などを増強し続けている。
 本年(2022年)秋には中国共産党大会が開催されるため、北京オリンピック後には中国軍による台湾恫喝行動がますます激化するのは必至だ。そのため、上記のような状況の中で台湾支援方針を打ち出しているアメリカとしては、ますます日本やオーストラリアをはじめとする同盟国や友好国を対中牽制網に取り込む必要に迫られている。
自衛隊を最前線の主力に据えたいアメリカ
 そこでアメリカは日本を“動員”するために、次のような策を講じている。
 つまり、「中国は台湾侵攻に引き続いて尖閣へ侵攻する」といったシナリオ、あるいは中国による台湾攻撃に際しては「尖閣を含む先島諸島へも中国軍が侵攻しかねない」といったシナリオなどを日本側に警告し、日本社会に「台湾の防衛は日本の防衛」との意識を流布させようとしている。
 要するに尖閣諸島や先島諸島の防衛を中国による台湾侵攻とリンクさせることにより、自衛隊をアメリカの対中国軍事作戦における最前線主力戦力に据えるための布石を打ち始めているのである。
 たしかに台湾が名実ともに中国の一部になってしまった場合には、尖閣諸島を巡る日中紛争は、ますます日本にとって厳しい状況となるのは間違いない。
 とはいっても、アメリカが十二分な対中牽制戦力を再構築するまでの期間においては、アメリカが米中戦争に勝利する見込みが極めて低いというのが米軍諸機関を含めての数多くのシミュレーションの検証結果である。したがって、将来の尖閣情勢を悪化させないためにアメリカによる対中戦争に日本が参戦するのは、コストパフォーマンスが低すぎる愚策ということになる。
日本は自律的な尖閣防衛策を
 さらなる問題は、その“参戦”には日本の自律性が皆無であるということだ。
 日本の国会や政府が、台湾の防衛は日本の防衛そのものであり、台湾が中国により軍事攻撃を受けた場合は日本は台湾防衛のために中国との軍事衝突を辞さない、と判断して、日本全土が中国軍ミサイルによって焦土と化すことを前提として米中戦争に参戦することと、尖閣諸島という日本の領土を防衛するために日本自身が最大限の努力をすることは、別次元の課題だ。
 日本の領域の防衛までをもアメリカに頼ろうとするから、アメリカの国益のための米中軍事衝突に日本が参加せざるを得なくなるのである。日本としては、あくまで尖閣諸島防衛は名実ともに日本自身の防衛である以上、これまでのように日米同盟にすがり付くのではなく、自律的な防衛策を実施しなければならない。
 最良の策は、本コラムでもたびたび論じたように、魚釣島に海洋気象測候所を設置することであったが、中国が「海警法」施行をはじめとして海洋警備体制を強化した現在、この策は極めて困難となってしまった。そこで次善の策として、海上保安庁が運用する「巡視基地船」を尖閣周辺海域に常駐させるのである。
 大型輸送船を改造して生み出す巡視基地船には、長期居住区間はもとよりヘリパッド、ヘリコプター格納施設、救難挺設備、各種レーダー、機関砲などを装備させ、特殊警備隊を含む海上保安官前方展開部隊、ヘリコプターや救難艇を配置する。大型輸送船を改造することにより、軍艦や巡視船に比べると低コスト・短期日で誕生させられる巡視基地船を3隻海保が手にすれば、尖閣周辺日本領海内に日本国公船を常時配備しておくことが可能になる。

© JBpress 提供 マレーシア海軍の海洋基地船(写真:マレーシア海軍)
 尖閣周辺の日本領海内に日本の公権力の象徴としての巡視基地船が365日24時間浮かんでいるならば、魚釣島への永久建造物設置に近い状況になる。すなわち国際社会に向かっての目に見える形でのアピールになることは間違いない。中国海警局や中国海軍にとっては、尖閣諸島に出現した超大型法執行船の存在は、通常の海保巡視船や海自軍艦などによる示威行動よりも遥かに厄介な障害となるのである。