台湾と心の懸け橋を 仙台市で日台交流サミットを目指す理由

© 産経新聞 台北駐日経済文化代表処の李世丙副代表(右から5人目)と交流を深める仙台市議ら=7日、市議会(高橋卓誠市議提供)
日本と台湾の地方議員の友好関係を深める「日台交流サミット」を仙台市で初開催しようと自民党の市議や県議らが準備を進めている。平成23年の東日本大震災で台湾から心温まる支援を受けた〝恩義〟を再確認し、後世に継承する狙いがある。サミット開催をめぐっては中国当局による中止圧力も懸念されるが、市議らはサミットを通じ、台湾とさらなる絆を育む構えだ。
政府に代わって地方議員が親交
「日台交流サミットを受け入れる準備があります。来年11月頃に開きましょうか」。仙台市の日台議員連盟会長、西沢啓文市議は7日、市議会議長室に台北駐日経済文化代表処の李世丙(り・せいへい)副代表を迎え、こう伝えた。李氏も西沢氏の考えにうなずいたという。
日台交流サミットは平成27年に金沢市で初めて開かれ、熊本市や台湾・高尾市などに場所を移し、年に1度開かれている。昨年11月に神戸市で開いたサミットでは日台双方から過去最多の510人が参加。台湾と外交関係を持たない日本政府に代わり、各地の地方議員が台湾と結びつきを深めている。
宮城県議らは神戸サミットに出席した際、全国日台友好議員協議会の幹部から仙台市開催を提案されたという。10月15日に高知市で開かれるサミットで仙台開催を正式決定する方向だ。
震災で支援 10年たっても変わらぬ思い
仙台市は台湾南西部の台南市と同じ「七夕まつり」の伝統風習を持つ関係だ。平成10年に台南市の民間使節団が「仙台七夕まつり」を視察すると、12年に台南市長が仙台市長に七夕を軸にした都市間交流を提案し、現在まで関係を深めている。
東日本大震災発災直後には台南市で「送愛到仙台(仙台に愛を届けよう)」を合言葉に募金運動が展開された。台南市長らは交通網が完全に復旧していなかった23年4月、来仙し、1億円超の義援金を仙台市長に手渡した。翌24年3月に仙台市の副市長がお礼のため台南市を訪問すると、さらに3千万円の目録が渡されたという。
西沢氏は産経新聞の取材に、「震災で台湾の皆さんから大変な支援を受けた。台湾への強い思いは10年たっても変わらない。心の交流を育んでいくためにも、仙台市でサミットを形にしたい」と意義を強調した。
日台交流サミット開催に備え、仙台市議会の自民党2会派は昨年12月、市の日台議連を発足した。2月定例会では台湾の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や世界保健機関(WHO)へ加盟を後押しする意見書の採択も準備する。
「中国に言及されるいわれはない」
台湾との距離を縮められれば、懸念されるのが「一つの中国」を唱える中国側の反発だ。実際に神戸サミットの開催前には中国総領事館職員を名乗る人物が神戸市長室に電話で「台湾は中国の一部であり、内政干渉だ」などとサミット中止を要求したという。
仙台市の日台議員連盟事務局長の高橋卓誠市議は「日本の地方のことまで中国に言及されるいわれはない」と述べた上で「仙台市は台湾の支援を受け、ここまで復興できた。台湾とのつながりを育んで、後世に伝えていくきっかけにしたい」と語った。
神戸サミットで事務局長を務めた上畠寛弘・神戸市議も産経新聞の取材に、サミットの仙台市開催を歓迎し、こうエールを送る。
「台湾は東日本大震災で最も被災地を支援してくれた。仙台での開催は台湾の支援を改めて認識する意義があるだろう。中国の圧力に屈することなく、サミットを成功に導いてほしい」
(奥原慎平)
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