ロシア・ウクライナ戦争と食料安全保障

From 三橋貴明 @ブログ
ロシア・ウクライナ戦争が
第二次グローバリズムを終わらせた
[三橋TV第518回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/7p-XBav7BCY
三橋TVで「紛争史観」と「災害史観」の違い、
非常事態への対応について比較していますが、
今回のロシア・ウクライナ戦争は
「人間」が引き起こした紛争です。
これから始まる
(というか、もう始まっている)
エネルギー安全保障や食料安全保障、
防衛安全保障の危機も、
人間の判断、行動により
もたらされることになります。
未然に防ぐことが不可能な
「災害」ではないのです。
無論、対処可能とは、
「間に合う」とイコールではありません。
昨日も書きましたが、
わたくしが国民経済の原則として、繰り返し、
「最も重要なのは
「需要を満たす供給能力」である。」
と訴えてきたのは、
国民の需要が満たされないことが、
安全保障の崩壊とイコールになるため
であることも理由の一つです。
【国民経済の五原則】
◆国民経済において、最も重要なのは
「需要を満たす供給能力」である。
◆国民経済において、お金は使っても消えない。
誰かの支出は、誰かの所得である。
◆国民経済において、
誰かの金融資産は必ず誰かの金融負債である。
◆国民経済において、
誰かの黒字は必ず誰かの赤字である。
◆現代世界において、国家が発行する
貨幣の裏づけは「供給能力」である。
加えて、供給能力は
(政府の)貨幣発行の担保です。
日本が主権通貨国
(変動為替相場制の独自通貨国で、
外貨建て国債がない)なのは、
過去の先人が投資を蓄積し、
供給能力を拡大してくれたおかげです。
もっとも、長引くデフレにより、
供給能力が毀損していった。
何しろ、需要が不足しているわけですから、
我々は投資をしません。
しかも、日本の場合は政府までもが
「ざいせいはた~ん」などと、
ありもしない問題に縛られ、
投資を抑制してきた。
結果、日本国は主権通貨国の座から
転がり落ちつつあります
(まだ、落ち切っていませんが)。
さらに、安全保障が「危機」に突入。
デフレとは、
まさに人々の「生存の危機」なのです。
人類は、生存のために共同体に属し、
投資を蓄積し、供給能力を
引き上げていかなければなりません。
さもなければ、生産性が低いままで、
「豊かな生活」は実現できず、
さらには非常事態に対応できず、
「安全な生活」も失うことになります。
ところが、日本は90年代以降、
安全保障を「ビジネス化」してきました。
例えば、食料安全保障を無視し、
関税を引き下げ、農産物の輸入を拡大し、
外国依存度を高め、
国内の農家を廃業に追い込み、
食料自給率を引き下げてきたわけです。
自由貿易という美名の下で、
食料安全保障が切り売りされてきた。
http://mtdata.jp/data_78.html#syokuryou
出典:農林水産省
ちなみに、食料安全保障を考える場合、
生産額ベースの食料自給率に
あまり意味はありません。
カネ、は食べられない。
重要なのは、
カロリー(供給熱量)ベースの自給率です。
何しろ、国民に十分なカロリーが
提供されない場合、飢餓に突入してしまう。
『世界食料価格、過去最高
ウクライナ危機で穀物高―FAO
国連食糧農業機関(FAO)が4日発表した
2月の世界食料価格指数
(2014~16年=100)は
前月比5.3ポイント上昇の
140.7となり、過去最高を更新した。
ロシアのウクライナ侵攻により、
小麦やトウモロコシの主要生産国である
両国からの供給不安が強まり、
価格を押し上げた。
前年同月比では
24.1ポイント上昇した。(後略)』
国連食糧農業機関(FAO)が
2月4日に発表した世界食料価格指数
(2014~16年=100)は、
前月比5.3ポイント上昇の
140.7。過去最高を更新しました。
ロシア・ウクライナ戦争勃発により、
小麦やトウモロコシの主要生産国である
両国からの供給不安が強まり、
価格を押し上げたのです。
前年同月比では、
何と24.1ポイントも上昇。
ちなみに、日本の穀物自給率は
総合自給率より低く、
わずか28%しかありません。
コメを除く小麦、大豆、
トウモロコシなどの穀物は、
ほぼ輸入に依存している有様です。
確実に、今後の穀物高騰の
影響を受けることになります。
食料、エネルギー、防災、医療、
そして防衛。
あらゆる安全保障が「ビジネス化」され、
そして今回の危機を迎えた。
これを機に「安全保障のビジネス化」
という路線を転換しなければなりません。
さもなければ、
日本国に「安全」は絶対に訪れない。
このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。