Shinzo-Returns

安倍総理の志は死なない!!

技術はほぼ完成「リニア新幹線」車両開発の系譜

ネコウヨ

60年前に実験開始、あとは開業させるだけ
邪魔する知事は56せw


渡部 史絵 : 鉄道ジャーナリスト
2022年05月24日

山梨実験線を疾走するL0系(筆者撮影)
東京(品川)―名古屋間の開業が待たれるリニア中央新幹線。静岡県との折り合いがつかないため、予定していた2027年の開業は遅れそうだ。
リニア中央新幹線の建設は東京ー名古屋―大阪という3大都市を結ぶ重要なプロジェクトで、リニア中央新幹線は最高速度時速500kmで、首都圏と関西圏を1時間程度で結ぶことができる。
超伝導磁石で浮上
リニアモーターカーの研究は、東海道新幹線が開業する前の1962年からすでに始まっていて、リニア中央新幹線の基本計画は1973年に東京―大阪間(甲府、名古屋、奈良を経由)が決まっていた。そもそも、なぜリニアはそんなに速く走ることができるのか。それは鉄の車輪と軌道を有する鉄道においてクリアできない常識を、リニアがクリアしたからなのだ。
通常の鉄道車両はレールの上を車輪で走行しているのだが、車輪とレールの接点は走行することで摩擦抵抗が起きるため、速度向上には限界がある。そこで、モーターを開いて直線状にし、車両には回転子に当たる部分を、ガイドウェイには固定子に当たる部分を取り付けた。これにより、車両とガイドウェイの磁石の引き合う力と反発する力により推進力を得たのだが、これだけでは、浮上して高速走行はできない。リニア(Linear)とは英語の「線状にする」の意味で、リニアモーターカーは、直線状にしたモーターを使用した車両のことであるからだ。
そこで登場するのが超電導磁石だ。超電導とは、特定の物質をある一定の温度以下に冷却すると電気抵抗がゼロになる仕組みで、リニア中央新幹線ではニオブチタン合金を液体ヘリウムでマイナス約270度に冷やすことで超電導現象を生じさせている。この超電導磁石を車体に、そしてガイドウェイに推進コイルと浮上・案内コイルの電磁石を取り付け、反発力と吸引力を発生させるのだ。時速150km以上になると10cm浮上して、高速で走ることとなる。
1962年に国鉄の技術研究所で始まったリニアの実験は、その後、1977年に宮崎県の日向市に実験線(延長7km)を有する「浮上式鉄道宮崎実験センター」を開設。1995年には有人での走行実験で時速411kmを成功させている。

MLX01の車内(展示時、筆者撮影)
しかし、最高時速500km超の実験には、もっと長い距離を必要とし、トンネルや勾配、鉄橋などの地形条件も加味した実験線が必要という判断から、1996年に宮崎実験センターでの走行試験が終了。その後は現在の山梨実験線で試験が行われている。同実験線は1997年に先行区間の18.4kmが完成し、車両も営業車両を意識した従来のものより大型な「MLX01」が製造された。
この車両は最長5両編成で運行することができ、先頭車両の長さは28mと、従来の新幹線車両よりも3mも長く、ノーズ部分は「エアロウェッジ型」(下部が曲線のくさび型形状)と、「ダブルカスプ型」(アヒルのクチバシのように下部が平な形状)が採用されている。これは宮崎実験線で経験した高速時における空力特性を考慮した結果である。2003年12月2日には、当時の鉄道史上最高の時速581kmを記録した記念すべき車両でもある。
営業仕様の車両が登場
L0系は超電導リニアの車両として本格的に営業用仕様として製作された車両で、「L」はLinear(リニア)を、「0」はかつての0系新幹線と同様に営業線仕様の第1世代車両という意味があり、スタートの「0」という意味だ。
L0系900番台は2013年に走行試験を開始し、山梨実験線では最長12両編成を想定した設計となっている。そのため、乗車定員を約700名以上(先頭車最大24名、中間車最大68名)とし、MLX01に比べて、より営業開始に向けて実践的な車両と言える。営業運転時は16両編成の想定だ。
L0系登場以降も様々な試験が行われているが、その内容もこれまでの速度向上だけでなく、実運行に近い形態で車両性能や環境データも測定している。2015年4月14日に行われた走行試験では、1日の走行距離4064kmを記録。さらに同月21日に現在の鉄道車両最高速度である「時速603km(有人運転)」を記録した。時速600kmを超える鉄道車両は、2022年現在もL0系以外に存在しておらず、完成度の高さがわかる。
さて、L0系は営業用先行試作車といったところでもあり、居住関係も今までにない充実した内容になっている。2&2の2列に配置されたシートピッチは、とても快適でゆったり座ることができる。座席は従来の新幹線のものよりもシンプルに見えるが、座り心地にあまり変化はないようだ。
客室内には列車前方を見ることができるモニターが設置されていて、現在速度も表示されている。これはトンネルやガイドウェイによって、窓からの景色を見るのが難しいことに対する配慮があったのではないかと推測できる。
L0系900番台をブラッシュアップさせたL0系950番台が、2020年春に登場した。基本的には900番台の仕様であるものの、さらなる居住性と安定した運行が可能なように改良されている。
製造された950番台は、先頭車と中間車を1両ずつ製造し、従来の900番台の編成に組み込む形で、運行されている。900番台では車内電源用に火力によるガスタービンを利用した発電が行われており、最新鋭の乗り物にガスタービンを搭載するというなんとも奇妙な状態だったが、950番台からは誘導集電方式を採用し、車体が浮いた状態でも地上側からの電力の供給が行われる方式になっている。そのため100%給電が行われたことにより、発電機の搭載はされていない。
先頭形状もタービンの排気口がなくなり、前照灯や前方監視カメラも、視野の良い上部に設置された。併せて先頭形状もより改良されたことにより、空気抵抗や消費電力、騒音の軽減などもされている。
鉄道ファンからは前方監視カメラと前照灯が上部に移動したことにより、ようやく列車らしい顔つきになったという声も上がっている。
車内の居住空間についても天井を高く見せるために、平滑形状に整形し、白を基調とした車内には、清潔感が漂う。座席も座ると安心感があり、優しく包まれる耳部分のバケットを拡大して、まるでソファのような座り心地である。所要時間は短くとも、快適な居住空間を約束してくれるはずだ。
あとは開業させるだけ
現状、東京―大阪間の輸送の主役は東海道新幹線である。もちろん、高速バスや航空機による輸送も存在するが、鉄道輸送に比べると、輸送量や輸送頻度などを総合的に考えれば、東海道新幹線の主役の座はゆるがない。
近年国内で、地震や台風などの自然災害が毎年のように起きているが、災害によってもしも、東京と大阪の2大都市の交通が寸断されてしまったら、防災や復興はもちろん、国益からも、その影響は計り知れない。そのためにも、新幹線のバイパスとしても考えられるリニア中央新幹線の存在は、極めて重要である。
静岡県とJR東海の間で大井川の水問題などが解決せず、静岡工区ではまだ着工できていないが、リニア中央新幹線の問題は直接国民全体に影響しうる問題である。リニア中央新幹線の開業は、日本の未来を左右する。技術は完成している。あとは問題を解決し、「開業させるだけ」なのである。