来日中の豪北部準州首相 中国企業との港の貸借契約「見直し歓迎」

© 毎日新聞 提供 インタビューに答えるオーストラリア北部準州のナターシャ・ファイルズ首相=東京都港区で2022年7月20日午後1時28分、金寿英撮影
来日中のオーストラリア北部準州のナターシャ・ファイルズ首相が20日、毎日新聞のインタビューに応じた。ファイルズ氏は、同州政府が2015年に中国企業と結んだ州都ダーウィンの商業港の貸借契約について「いかなる見直しの決定も歓迎する」と述べ、見直しを検討する豪政府の方針を支持する考えを示した。東南アジアに近いダーウィンは米海兵隊が巡回駐留し、多国間軍事演習も実施される戦略的な要衝で、中国の影響拡大による安全保障上の懸念が指摘されている。
ダーウィン港を巡っては、15年に当時のアダム・ジャイルズ同州首相(地方自由党)が中国企業・嵐橋集団に総額5億600万豪ドル(約481億円)で99年間、一部施設を貸借する契約を締結。同社は中国共産党に近いとされ、対中けん制のため12年から米海兵隊をダーウィンに巡回駐留させていた米国のオバマ大統領(当時)が不快感を示した。
その後、東・南シナ海や台湾海峡で軍事活動を活発化させる中国への警戒感の高まりや豪中関係の悪化もあり、自由党のモリソン前政権下で契約見直しの検討が進められた。豪紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」によると、労働党のアルバニージー新首相も、契約破棄を含む見直しを検討しているという。
労働党のファイルズ氏は「我々は当初から貸借契約に反対してきた」と主張し、安全保障は国の管轄だとした上で「我々はクアッド(を形成する日米印)と特に重要で強い協力関係にある」と強調した。
ファイルズ氏は5月の首相就任後、同州の「最大の貿易国」とする日本を最初の外遊先に選んだという。「日本とはレアアースの供給やデジタル、宇宙開発などあらゆる分野で協力できる。未来に向けて強力な関係を築きたい」と語り、日本からの投資促進にも期待感を示した。【金寿英】
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