習近平氏も真っ青、沖縄にF22が 米が対中に〝最強戦闘機〟配備も 気になる「常駐」から「巡回」への懸念 尖閣諸島の制空権争いも焦点に

© zakzak 提供 最新鋭のF22ステルス戦闘機
沖縄県・米空軍嘉手納基地に常駐するF15戦闘機の退役に伴い、最新鋭ステルス戦闘機「F22」を巡回配備させるジョー・バイデン米政権の方針が注目されている。中国共産党の習近平総書記(国家主席)が「異例の3期目」に突入したことで、自由主義諸国は中国の軍事的覇権拡大の加速を警戒している。「台湾有事」「日本有事」に備えて、現在、「世界最強の戦闘機」とされるF22の配備を歓迎する向きもあるが、常駐からローテーション(巡回)配備への変更は気になる。識者の中には、米軍の抑止力低下を懸念する声もある。

© zakzak 提供 沖縄県の米空軍嘉手納基地
「米国側から、より高い能力を持つ恒久的な部隊に置き換えるという説明があった」「一層厳しさを増す安全保障環境に対応し、日米同盟の抑止力、対処力を維持・強化する一環として行うもので、日米同盟にとって重要な取り組みだ」
浜田靖一防衛相は1日の記者会見で、米空軍嘉手納基地でのF15戦闘機の退役と、F22戦闘機の「巡回配備」について、こう評価した。
米国の新方針は10月28日に発表された。嘉手納基地には現在、約50機のF15戦闘機が配備されているが、機体の老朽化に伴い、11月から段階的な退役を行う。約2年をかけて、より性能が高い戦闘機に移行し、装備の近代化を図るという。
ただ、発表では「インド太平洋地域における戦力の近代化は米国の最重要課題」「(嘉手納基地の体制は)高性能の戦闘機の巡回配備に移行する」と説明されたが、新たな戦闘機の具体的機種は言及されなかった。戦闘機部隊の長期的な対応についても「決定していない」とあった。
浜田氏によると、米国側は、11月上旬から約半年間、同規模のF22戦闘機を暫定展開すると説明したという。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)も、米アラスカ州の基地からF22戦闘機をローテーション方式で派遣する計画―と報じた。
F22戦闘機は「ラプター(=猛禽類)」の愛称を持ち、高い速度性能と機動性、ステルス性を誇る「世界最強の戦闘機」である。日本も一時、次期主力戦闘機として有力候補にしていたが、米国の売却禁止で断念した。日本は現在、最新鋭ステルス戦闘機F35の配備を進めている。
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「強力なF22戦闘機を前面に押し出すことで、日本の抑止力は高まる。中国は軍事力を増強し、台湾への圧力を強めており、米軍の展開能力強化は急務だ。台湾有事は日本有事につながる。沖縄県・尖閣諸島では、制海権に加え、制空権争いも焦点になる。自衛隊の体制整備も不可欠だ」と語った。
日本政府関係者も「巡回配備は、米国の事情による一時的対応で、常駐が撤廃されるわけではない。F22戦闘機の配備で、米軍の抑止力はむしろ高まることになる」と話す。
台湾や尖閣を狙う中国を震撼(しんかん)させそうだが、違う見方もある。
元空将の織田邦男氏は「戦闘機を常駐させるか否かで、抑止力には明らかな違いが出る。体のいい『撤退』に他ならず、抑止力は低下する。中国に『米国は軍事的な対峙(たいじ)はしない』という誤ったメッセージを発しかねず、非常に問題がある」といい、続けた。
「パイロットや戦闘機に加え、その家族らが沖縄に常駐することに大きな意味がある。象徴的な意味でも『嘉手納基地に腰をすえる』という意思表示になるからだ。アントニー・ブリンケン国務長官をはじめ、米高官は最近、『中国の台湾侵攻が切迫している』との認識を示していた。予算上の事情もあるだろうが、よりによって『抑止の要』である嘉手納基地を引きはがす必要があったのか。日本政府が十分に説得したのかも疑問だ」
習氏は権力基盤を高めた10月の共産党大会で、台湾統一について「決して武力行使の放棄を約束しない」と威嚇した。このタイミングでの米国のプレゼンス低下は〝致命傷〟になりかねない。
織田氏は「林芳正外相も今回の事態に懸念を示さなかったが、日本政府は米側を強く説得すべきだった。空軍は軍事的緊張が高まると、戦闘機などの戦力を一時攻撃から守るため、後退させるのが常道だ。今回の米国の対応も、米中関係が緊迫し、前線の嘉手納基地から戦闘機を引いたとも受け取れる。日本政府は緊張感を持って、情勢に対応しなければならない」と強調した。
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