「確認書をお願いしてまで組織を大きくすべきか」 党内からも疑問の声、参院選の候補者選びで国民民主党が自ら掘る"墓穴"

“敵失”によって次期参院選では圧勝のはずの国民民主党。その候補者選びに関して、SNSだけでなく党内からも疑問符が突きつけられているw
6月の東京都議選挙、7月の参議院選挙を控えているのに、石破自民党の情勢がまったく冴えない。
5月16~19日に行われた時事通信の世論調査で、石破内閣支持率は20.9%と、発足以来の最低を記録した。17日と18日に共同通信が行った調査では、石破内閣の支持率は前月比5.2ポイント減の27.4%で、これも最低記録を更新した。毎日新聞の調査でも、石破内閣の支持率は3カ月連続で3割を切り、5月には22%と最低を記録した。
ただ、昨年の衆院選で大躍進を遂げ、その勢いで石破政権を食うはずだった国民民主党も、ここに来て失速している。
5月に公表された各社世論調査での同党の政党支持率は、朝日新聞では12%から8%と4ポイント下落し、読売新聞では13%から11%へ、毎日新聞では15%から13%へと、いずれも2ポイント下げている。産経新聞は11.4%から8.4%と3ポイント下がり、共同通信に至っては18.4%から13.2%と、5.2ポイントも落ち込んだ。
「私が決める」玉木氏の一言で誰も反対できず
いずれも、5月14日に同党が発表した次期参院比例区選挙の候補者の顔ぶれが影響したに違いない。
同党は山尾志桜里氏、須藤元気氏、足立康史氏、薬師寺道代氏の公認内定を決定した。足立氏は当初、4月16日に公認内定が決定されるはずだったが、同日午前に開かれた執行役員会で強い異論が出たため頓挫した。
山尾氏の公認内定については、4月23日の執行役員会は通ったものの、同日正午に開かれた両院議員総会で紛糾。結果的に、足立氏ら3人と5月14日にまとめて公認内定を得ることになった。この日も山尾氏の公認内定に反対の声が出たようだが、玉木雄一郎代表が「私が決める」と言い放ったため、誰も反対できなかったと聞く。
また国民民主党は同日、名前と職業を偽って不倫をしていた平岩征樹衆院議員の離党届を受理したが、同じく不倫問題で「役職停止3カ月」の処分にとどまった玉木氏との“バランス”を考慮したためか、最後まで離党勧告や除名といった厳しい処分は行われなかった。
そして「無期限の党員資格停止」の軛(くびき)から解放された平岩氏は、衆議院の解散あるいは任期満了まで、既存政党に参加する以外の制約を受けることはなくなった。
見え透いた“アリバイ作り”に党内からも疑問符
4人の公認内定が発表される前日の5月13日の会見で、玉木氏は党の理念や重要政策への賛成を約束する「確認書」を比例区の立候補予定者と交わす考えを表明した。そして「(擁立を)認める基準を明確にし、国民にもしっかりと公表していく」と述べた。
だが、“アリバイ作り”であることは否めない。
実際に「確認書」では「党として合意した事項に反する行動はとらない」と約束させ、公認内定後にそうした行為が発覚すれば公認内定取り消しなどの処分を甘受し、議席を得た後に離党する場合には議席を党に返上させることを明記。「確認書」には憲法議論や原発政策、「命に係わる政策分野」といった、山尾氏と須藤氏をターゲットにしたとしか思えない箇所もある。
しかし、こうした「確認書」には法的拘束力がなく、どこまで実効的かどうかは不明だ。実際に山尾氏は5月15日にX(旧Twitter)に「女系天皇の選択肢を排除する進め方は間違っている」と投稿し、「男系男子を揺るがせのないものにしなくてはならない」(榛葉賀津也幹事長)という国民民主党の考えから大きく逸脱した。
玉木氏は20日の会見で、「有識者会議で悠仁親王殿下までは皇位継承順位が決定しているが、その後は別次元の問題だ」として山尾氏のポストを表面的に擁護したが、「悠仁親王殿下以降を先取りして議論すると、ようやくまとまりかけたものがまとまらなくなり、皇位の安定継承の議論にマイナスになる」と付け加えた。
これは事実上、山尾氏への牽制にも見えるが、本稿執筆時点で山尾氏の当該ポストは削除も訂正もされていない。
なお、こうした問題について同党の伊藤孝恵広報委員長は、日本大学の西田亮介教授と共演した22日配信の動画で“個人の意見”とことわったうえで、「確認書をお願いしてまで組織を大きくすることが正しいことなのか」と疑問を呈した。
そして、昨年の衆院選で国民民主党の政策が支持され、躍進したことを踏まえて、「私たちの政策を何の濁りなく言えるのであれば、無名でもいいから逸材を探してくる、そして仲間を増やしていく」ことを考えていたが、「そう甘いものではない」と批判されたことを打ち明けている。
玉木氏が見落としている「比例区の盲点」
昨年の衆院選の勝利の流れを止めないという観点からは、伊藤氏の考えはまったく正論だ。ましてや冒頭で述べたように、石破政権は国民の支持を回復する見込みはほとんどなく、与党が惨敗する可能性は高いうえ、ほかの野党の勢いもいまいちの現在、国民民主党は“難なくやれば”、次期参院選で大躍進するに違いなかった。
にもかかわらず、なぜあえて「貧乏くじ」を引こうとするのか。20日の会見で玉木氏は、「比例区の党内での争いは熾烈で、疑念があって説明しないと、当該候補者に(票が)入らない」と述べ、「1万票、2万票で通る世界ではない、舐めないでいただきたい」と断言した。だが、これもミスリードだ。
まず候補者への票が少なくとも、党が獲得した議席が多ければ、個人票が少なくても当選する。例えば2013年の参院選では公明党の新妻秀規氏は2万6044票で当選し、2016年の参院選では日本共産党の武田良介氏が2万3938票で当選している。また2019年の参院選では、公明党の塩田博昭氏が1万5178票で当選した。
玉木氏は「さらに10人程度を擁立する」と述べたが、知名度のある山尾氏を“沈める”ことは困難。だからこそ、山尾氏は2018年に離婚したときに復氏した「菅野姓」ではなく、2021年に政治を“卒業”したときから使用しなくなった「山尾姓」を使うことにしたのだろう。
国民民主党に票を投じようが、ほかの候補に票を投じようが、結果的に国民民主党の議席数が増えることになり、山尾氏の当選の可能性が高まる。山尾氏の擁立は、良識ある国民民主党支持者に重い決断を強いることになる。
いや、もう参政党に決めたよw
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