日本政府の恐るべき弱腰外交。かつての日本はこれを『情けねえ』と批判する気分が濃密にあったのに、今はそれもない。

From 藤井聡
@京都大学大学院教授
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From 藤井聡@京都大学大学院教授
米国のペロシ下院議長の訪台を危機とする「台湾危機」。連日報道されていますが、その基本的なトーンはいずれも「対岸の火事」そのもの。
しかしこれは明らかに「日本危機」です。
高市早苗政調会長が指摘する様に、台湾と日本の与那国との距離は、東京と熱海くらいの距離しかありません。そんなところに、日本に対する領土的野心を持った大量の軍隊が押し寄せてきているのであり、有事となれば日本の領海が確実に戦域に入る事になります。
事実、与那国は、二つの大きな舞台に南北で挟まれており、軍事オペレーションをかければスグにでも占領される状況にあります。
しかも今回は、日本の排他的経済水域(EEZ)に五発の中国軍のミサイルが着弾しているのであり、これは日本に対する準攻撃と見なしうる事態です。法的に言うなら、武力攻撃予測事態(武力攻撃事態には至っていないが、事態が緊迫し、武力攻撃が予測されるに至った事態)、あるいは少なくともそれに準ずる事態に該当し得る事態とも言えるでしょう。
というかそれ以前にそもそも、中国は尖閣を台湾の一部と位置づけています。だからこそ、尖閣の領有権をしつこく主張し続けているのです。だから今回の台湾有事はそのまま尖閣有事そのものであり、したがってそれは日本有事なのです。
日本と台湾は尖閣を通して一つの運命共同体となっているのです。
だからこそ、高市早苗自民党政調会長が改めてこの度紹介している通り、安倍晋三元総理は生前「台湾有事は日本有事だ」と言い続けてこられたわけです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/39d4182648e02ec1d6889d140605950705de9b0c
以上の認識は、極めて常識的なもので、以上のように認識しない、いうことなどあり得ない筈なのですが……現実は以上のような認識はほとんど全く共有されていません。
例えば、そうした危機意識をいの一番に持つべき岸田総理はこんな事を口にしているのです。
「地域や国際社会の平和と安定に深刻な影響を与えるものだとして中国側に軍事演習を即刻中止するよう求めた」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220803/k10013747261000.html
この発言を耳にしたとき、開いた口が塞がらなくなりました。
要するに岸田氏は、この事態を完全な他人事と見なしているのです!そもそも「地域や国際社会の平和と安定」って言葉は絶対に自国には使いません。総理大臣ならここは「自国の平和と安定」と言うべきところです。
つまりこれは、今回の台湾有事が日本有事であるとの認識が微塵も見られないご発言なわけです。さらには、
「弾道ミサイルの一部が日本のEEZ=排他的経済水域内に落下したことは、日本の安全保障と国民の安全に関わる重大な問題だとして、中国を強く非難し抗議した」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220803/k10013747261000.html
そうなのですが、それで十分な筈がありません。なんといっても、家の敷地のスグ外側にミサイルを撃ち込んだのですから、「武力攻撃予測事態」と見なし、口で抗議するだけでなく、米軍が台湾に自衛隊を使った対策を取ることも法的に可能な筈です。
このような弱腰な態度では、この総理大臣は中国からの軍事的圧力から我が国を守ることなど絶対できないと断定せざるを得ないでしょう。
誠に「情けない……」と言わざるを得ません。
しかも、今の我が国では、これを「情けない……」と感ずる世論の空気は皆無。
これでは我が国はアメリカや中国に侵略されることに何も抵抗せず、奴隷として生きていくことに何の疑問も違和感も感じないクズ中のクズだと侮蔑されても致し方ないように思います。
ですが、30年前の90年代の日本はまだ、そこまで堕落してはいなかったのです。
当時、1990年、イラクがクウェートに侵略した際、多国籍軍がクウェート防衛に乗り出した時、日本は自衛隊が派遣できず、ただただカネを渡すだけに終わり、この態度に対して国内で大いなる反発がでました。
その時の空気感は、その直後のヒット曲がとんねるずの『情けねえ』だったということからも伺い知ることができます。
この曲はまさに、多国籍軍に参加できない日本の情けなさを徹底的に批判するもの。
秋元康作詞のこの曲はまず、無責任な冷たい現代日本人が、クウェート侵略に対して何も出来ない事について、大いになる批判を差し向けます。
『暖かい日だまりで 眠ってていいのかい 激動のこの時に 遠い国のふしあわせ
対岸の火事なのか そんな歴史の涙さえも 誰も見過ごすつもりか』
そして、そんな日本政府の対応に対して次の様に叫びます。
『情けねえ 自由がないている 情けねえ しょっぱい血を流し
お似合いだぜお前にゃ 口を閉ざしお休み 腐りにつながれた子犬みたいに
情けねえ 涙も出やしねえ 情けねえ 無力装うなんて
今振り上げた拳は 芝居じみた正義さ この世の全ては パロディなのか』
もちろんこの曲の背景にあるのは、国連中心主義という戦後レジームに踊らされる戦後日本人の軽薄な正義感であることは間違いありません。したがって、この楽曲がヒットしたことそれ自身を諸手を挙げて賞賛することなど到底できません。
しかし、正義を貫こうとして戦おうとする時に「鎖」のせいで何もせず、カネを払うという「しょっぱい血」しか流せない日本政府に対して、大いに批判する気力が我が国国民の間に満ち満ちていたことを明らかに示しています。
ところが現代の我が国は今、対岸の火事どころか「此岸」(こちら側の岸)の火事に直面しているのです。それにも拘わらず、政府は「他人事」を決め込んでいるのです。こんな政府はメチャクチャに批判されて然るべきですが……誠に恐るべき事に、こうした政府対応について、何ら批判を差し向けないの我が国の現代の社会・世論の実情なのです。
我が国社会の腐敗、ここに極まれり、と言う他ありません。
というか現総理は、こういう腐敗し倒した社会・世論が産み出した悪魔の毒々モンスター的な「腐敗モンスター」と言うべきなのかも知れません。
つまり岸田総理も現代世論も、双方、同じ穴の狢なのですから、一方が一方を批判するということ事態があり得ない、ということなのでしょう……誠に哀しい話です。この情けない国の有り様に治して、誰も情けねえと叫ぶ気力を持ち合わせてはいないなんて、哀しすぎる話しです。
ただしこうした情けない状況は、憲法9条についても、デフレについても、緊縮財政についても、コロナについても、日露外交についてもずっとずっと続いている話しではあります……が……事態改善のためには、深く認識し、発言し続ける他ありません。
また引き続き、よろしくお願いします……。
追伸:今回、「情けねえ」のは、日本だけじゃ無くてアメリカもなのです。アメリカ軍の情けなさ、是非、下記よりしっかりご認識下さい。ますます日本が絶望的状況にあることがクッキリとお分かりいただけると思います。
『米国が中国に本格的にビビり始めた今、台湾・尖閣が中国に侵略される日は近い』
https://foomii.com/00178/2022080721522097880
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