中国は蛇に睨まれた蛙 米に対抗措置取れず

●恫喝するが何もできず
アメリカのペロシ氏が台湾を訪問することが明らかになると中国は反発した。だが中国の軍事演習はペロシ氏が台湾を出るのを確認してから開始された。中国の軍事演習は派手に演出され、日本のEEZ内に5発弾道ミサイルが撃ち込まれた。
中国は怒りの矛先をアメリカから日本に向けて面子を保った。だがアメリカは台湾との関係強化を続けており、1500億円の武器売却で台湾軍の軍事力強化を支援した。台湾軍に売却される内容が公表され、対艦ミサイル60発が含まれていることから、人民解放軍海軍を主敵とすることが示唆された。
■米、台湾に1500億円の武器売却
https://www.afpbb.com/articles/-/3422071
■中国、米の台湾への武器売却に反発 撤回せねば「対抗措置」
https://www.afpbb.com/articles/-/3422084
中国もアメリカの対応に反発するが未だに対抗措置が公表されていない。さらにアメリカへの対抗措置の実行すら行われていない。中国は大きく見せたが実行できないだけに終わっている。
●現状打破を認めないアメリカ
平和とは戦争がない状況ではない。世界の平和は強国に都合がいいルールであり、今の強国は現状維持派の頂点であるアメリカ。アメリカは強国として世界の平和を維持する立場であり、裏の顔として軍事力を使い覇権を置く。アメリカは気に入らないとしても、今の平和で利益を得る国は現状維持派になる。つまり戦争は現状維持派から地位と利益を奪うから戦争を悪と見なす。
その反対に、今の平和は自国に都合が悪い国が存在する。今の平和は自国に都合が悪いから利益を得られない。しかも自国の国際的地位が低いから外交で対等になれない。これでは嫌だという国は北朝鮮・イラン・中国などが当てはまる。
現状を変えようとする国は現状打破派であり、今の平和を否定し現状変更を求める。だから現状維持派から今の平和を乱す悪の国にされる。北朝鮮・イランは軍事力では勝てないから核兵器でアメリカと対等になろうとした。だが中国は領土的野心があるから直接アメリカの平和を否定した。そうして現状維持のアメリカと現状打破の中国が直接対立することになった。
中国はアメリカに喧嘩を売り、アメリカは喧嘩を買う立場。アメリカとしては中国に平和を否定された。これはアメリカの地位を奪うだけではなく利益まで奪う。だからアメリカは中国の現状変更を認めない。
●瀬戸際外交の失敗
中国は20世紀末から急速に軍事力を拡大した。同時に中国は瀬戸際外交で挑み、アメリカに譲歩させることで覇権拡大を成功させた。瀬戸際外交とは相手国に戦争を売り付けて譲歩させる策。戦争を売られた国は意味がないから譲歩する。これをドイツのヒットラー・イラクのフセイン大統領が実行した。だが相手国が怒って戦争を始めると失敗する。
中国の瀬戸際外交は成功したように見えたが、アメリカ海軍は危機感を持っているのでアメリカの外交方針に影響を与えたと思われる。つまり、中国が南シナ海に基地を建設したことが虎の尾を踏んだと推測される。南シナ海は海上交通路が存在し、海洋国家アメリカの生命線なのだ。
企業・家庭でも生命線を奪われると知ればどうなるか?
死に物狂いで抵抗するか殺意を持つことになる。これを国家規模でアメリカに実行したのが中国。中国はこれまでの成功体験で瀬戸際外交は有効だと誤認。だが南シナ海に基地を建設したことは悪手だった。この時期からアメリカ海軍の中国に対する対応が変化しており、未来の戦争に備えて準備を進めたと思われる。
実際に中国が南シナ海に基地を建設してからアメリカと台湾の関係が接近している。台湾は、人民解放軍海軍が南シナ海と太平洋に進出する時に必要な島。平時では人民解放軍海軍は南シナ海と太平洋に進出できるが、戦時になると台湾は人民解放軍の後方連絡線を遮断できる。これが理由で中国は台湾侵攻を諦めない。同時に、アメリカが台湾を支援する理由でもある。
◆軍政:宣戦布告・停戦・休戦・国軍に戦争の政治目的を付与する。
◆軍令:軍隊の組織と運用は経験則に従い原則として自由。
アメリカ軍の戦略は大統領が変わっても不変。軍政を持つ大統領の方針に従うとしても軍事戦略と政治は別物。軍令を持つ軍は将来の戦争に備えて動くから、中国との戦争に備えて準備を進めたのだ。こうなると中国による瀬戸際外交は失敗。アメリカは台湾に武器売却を進めて台湾軍の強化を支援。さらにアメリカ軍は軍事演習を繰り返して南シナ海の覇権を奪還している。
実際に人民解放軍の軍事演習とアメリカ軍の軍事演習が繰り返されたが、次第にアメリカ軍の軍事演習が圧倒した。軍事演習は敵がいないだけの実戦であり、指揮命令・部隊運用・消費などは実戦と同じ。だから軍事演習は練度維持と向上に使われる。だが裏の顔は外交であり、相手国を脅して譲歩させることが目的。
中国はアメリカに瀬戸際外交で譲歩を求めたが、アメリカ軍の軍事演習で返礼された。それどころか逆にアメリカから戦争を売られる立場に変わる。そうして、中国は高圧的な恫喝を見せるが実行しないことが明らかになった。最近のペロシ氏が台湾を訪問した時が典型例で、アメリカに対して実効性のある対抗措置は取られなかった。
瀬戸際外交を採用する国は戦争には勝てない。だから派手に軍事力を見せて譲歩を求める。真に戦争に勝てる国なら瀬戸際外交など行わない。だからアメリカ軍が戦争を覚悟したら人民解放軍はアメリカ軍との対立を回避するようになる。
●露骨に台湾を支援
アメリカ軍は日本周辺に軍事力を置き、中国の暴発に備えている。それどころか台湾への支援を露骨に行い、中国を意図的に怒らせることをしている。最近でも台湾への武器売却で中国を怒らせたが、中国はアメリカに対抗措置を取れない。仮にアメリカに対して対抗措置を取れば、アメリカの怒りを買うだけ。これを知っているから中国は動けない。つまり中国は蛇に睨まれた蛙なのだ。
アメリカは中国との戦争を覚悟しているから、台湾を基点に中国虐めを拡大すると思われる。経済で中国企業を苦しめるだけではなく、政治でも制裁強化を進めるだろう。都合がいいことに中国はロシアと連携した。ロシアはウクライナに侵攻したから今の平和を否定する悪の国。そんなロシアと連携したのだから政治で中国を制裁することが容易になった。
今後アメリカは中国包囲網を拡大し、政治と経済で中国から利益を奪うはずだ。目的は中国から戦争を始めさせること。軍隊を用いた開戦は今の平和を否定する行為だから、ロシアのように悪の国にできる。このための中国虐めが行われ、中国が開戦するまで続くことになる。
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